プレスリリース

当社原子力発電所における原子炉圧力容器の製造方法および製造メーカーの調査結果について

平成28年 9月 2日

 当社は、平成28年8月24日、原子力規制委員会より、「仏国原子力安全局で確認された原子炉容器等における炭素偏析※1の可能性に係る調査について(指示)」を受領しました。

 

 本件は、仏国原子力安全局が、仏国内で運転中の加圧水型原子力プラントの蒸気発生器※2の水室において、機械的強度を低下させる炭素濃度の高い領域をもつ鍛造鋼※3が使われた可能性があるとの仏国電力の報告を発表したことを受け、原子力規制委員会から実用発電用原子炉設置者※4に対して、以下の対応が求められたものです。

 

(1)以下の調査対象機器について、製造方法および製造メーカーを調査し、その結果を平成28年9月2日までに報告すること。

 

調査対象機器

 加圧水型原子炉

 原子炉容器、蒸気発生器、加圧器

 沸騰水型原子炉

 原子炉圧力容器※5

 

(2)(1)の調査の結果、鍛造鋼の使用が確認された場合は、当該鍛造鋼が規格(JIS等)を上回る炭素濃度領域を含む可能性について評価し、その結果を平成28年10月31日までに報告すること。

 

 当社は、上記指示(1)に基づき、沸騰水型原子炉である女川および東通原子力発電所における原子炉圧力容器について、製造方法および製造メーカーを調査した結果を、本日、原子力規制委員会へ報告しました。(報告内容は別紙参照)

 

 調査の結果、女川および東通原子力発電所の全ての原子炉圧力容器において、鍛造鋼が使用されていることを確認したことから、引き続き、上記指示(2)に基づく評価を進めてまいります。

以上

 

 
※1 炭素偏析
  鋼材中に含まれる炭素の濃度が局所的に高い部分。炭素濃度が高くなると、材料が硬くなる一方、脆くなる性質をもつ(機械的強度が低下するおそれがある)。

 

※2 蒸気発生器
  蒸気発生器は加圧水型原子炉においてタービンを回す蒸気を発生させる装置。原子炉圧力容器で加熱された高温高圧水は、多数の伝熱管を介して2次側の水と熱交換され、その熱により蒸気を発生させ、タービンに送り込んで発電を行う。
なお、当社の原子力発電所は、女川・東通のいずれも沸騰水型原子炉であるため、蒸気発生器は設置されていない。

 

※3 鍛造鋼
  プレス機により、金属に圧力を加えて成形された鋼材。

 

※4 実用発電用原子炉設置者
  原子力発電所を所有する事業者。

 

※5 原子炉圧力容器
  原子炉の炉心をおさめる円筒状の鋼鉄の構造物。

 

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