プレスリリース

東通原子力発電所1号機における非常用ディーゼル発電機(A)からの軽油漏えいに係る原因と対策について

平成28年 5月 2日

 平成28年4月14日、東通原子力発電所1号機(平成23年2月6日から第4回定期検査中)の原子炉建屋(管理区域外)において、10時02分頃から、非常用ディーゼル発電機※1(A)の定期試験を行っていたところ、10時58分頃、燃料循環ポンプ付近に設置されている圧力調整弁(以下、「当該弁」という。)から軽油が漏えいしていることを確認しました。

 10時59分頃、非常用ディーゼル発電機(A)を停止し、11時11分頃に当該弁上流側に設置されている弁を閉じ、軽油の漏えいが停止したことを確認しました。

(平成28年4月14日お知らせ済み)

 

 なお、本事象による発電所周辺環境への影響はありませんでした。

 

 その後、原因調査を進め、このたび本事象の原因および再発防止対策を取り纏めましたので、以下のとおりお知らせいたします。

 

【事象発生の原因】(別紙参照)
 当該弁の外観点検および分解点検を行った結果、油圧の調整ハンドル※2位置を固定するロックナット※3が緩み、調整ハンドルが適正な位置から開側に移動したことにより、当該弁内のOリング※4が所定の位置からずれて空気抜き穴※5の位置に達していることを確認しました。これにより、軽油が空気抜き穴から漏えいしたものと推定しました。

 また、調整ハンドル位置を固定するロックナットが緩んだ原因は、以下のとおりロックナットの締め付けが不十分な状態で、非常用ディーゼル発電機(A)の運転による振動が作用したものと推定しました。

 

・ 過去(平成28年1月)に実施した当該弁の分解点検後の組み立て時に、ロックナットの適切な締め付け管理(締め付け結果の記録作成)ができていなかった。
・ 過去(平成28年1月)に実施した当該弁の分解点検後の組み立て時に、当該弁の構成部位であるカラーとカバーの接触面に、カバーの塗膜を挟み込んだ状態で、ロックナットを締め付けたため、接触面に加わる圧力が不均一となった。

 

【再発防止対策】
 上記の推定原因に対して、以下のとおり再発防止対策を実施いたします。

・ 分解点検後の組み立て時に、ロックナットの締め付け結果の記録を作成するルールを定め、締め付け管理を徹底する。
・ カラーとカバーの接触面付近の塗膜を除去し、ロックナットの締め付け時に接触面に加わる圧力が均一となるようにする。
・ さらに、ロックナットの緩みおよび調整ハンドルの開側への移動を防止するため、ロックナットと調整ハンドルを一連のワイヤーで固定する。

 

【原因調査後における復旧】
 上記の対策を講じ、非常用ディーゼル発電機(A)は平成28年4月30日17時23分に待機状態※6となり、復旧しております。

 なお、復旧過程における非常用ディーゼル発電機(A)の試運転時に、当該弁の空気抜き穴より軽油のにじみを確認しました。点検の結果、Oリングの位置が空気抜き穴に接近していたことから、非常用ディーゼル発電機(A)の試運転による振動が作用し、Oリングのシール性がわずかに低下していたことにより、にじみに至ったものと推定しました。このため、調整ハンドル位置を閉側に調整し、Oリングを十分に弁内部まで挿入しました。

 その後、再度非常用ディーゼル発電機(A)の試運転を行い、当該弁の空気抜き穴から軽油のにじみがないことを確認しております。

 

以上

 

※1 外部電源が失われた場合に、原子炉の停止や原子炉および使用済燃料プール等の冷却に必要となる電源を供給する設備。
※2 弁内部の油圧を調整するばねの位置を調整するハンドル。
※3 調整ハンドル位置を固定するための部品。
※4 空気抜き穴から軽油の漏えいを防ぐために設置している、断面がO形の環状パッキン。
※5 燃料油配管に非常用ディーゼル発電機に使用する軽油を張り込む際、配管内の空気を抜くためのもの。
※6 原子炉施設保安規定に基づき、常時、運転が可能な状態にしておくこと。

 

 

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