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当社原子力発電所における燃料集合体チャンネルボックス上部の一部欠損、ならびにウォータ・ロッドの曲がりに係る点検結果について(中間報告)平成27年 6月18日 当社は、燃料集合体チャンネルボックス※1上部(クリップ)の一部欠損、ならびにウォータ・ロッド※2の曲がりに係る、旧原子力安全・保安院および原子力規制委員会から受領した指示文書※3に基づき、女川原子力発電所(以下、「女川」という。)1号機の燃料集合体について点検を実施し、本日、その結果を中間報告として取りまとめ、原子力規制委員会へ報告しました。 主な報告内容は、以下のとおりです。
1.燃料集合体チャンネルボックスに係る点検結果 女川1号機の使用済燃料プールに貯蔵保管している全ての燃料集合体861体※4を水中カメラで点検したところ、9体でチャンネルボックス上部クリップ接合部に一部欠損(最大で長さ約1.2cm)があることを確認しました。 今回確認された欠損は、燃料集合体にチャンネルボックスを着脱するための工具を取り付けるクリップの接合部に限定されており、チャンネルボックスの機能には影響がないことを確認しております。また、その他の部位および燃料集合体にも損傷等の異常がないことを確認しました。
今回の点検において確認された一部欠損は、女川2号機および3号機ならびに他社BWRプラントにおけるこれまでの調査結果と同様に、製造時の溶接不良が原因で発生したものと推定しております。具体的には、製造時においてチャンネルボックスの上部にクリップを溶接する際に、「溶接部に大きな熱量が加わったこと」、「クリップ当て金の取り付け状態のばらつきにより、溶接部の冷却速度が低下したこと」および「溶接部に空気が混入したこと」により、溶接部の耐食性が低下して腐食したものと考えております。
当該のチャンネルボックスを製造したメーカー(2社)においては、それぞれ溶接設備を更新したことにより、既に欠損の再発防止対策が講じられているため、今後、同様の欠損は発生しないものと考えております。
2.燃料集合体ウォータ・ロッドに係る点検結果 女川1号機の燃料集合体について、チャンネルボックスを脱着した履歴のある燃料集合体(以下、「当該の燃料集合体」という。)72体※5のうち、12体について抜き取りによる点検を実施したところ、ウォータ・ロッドの曲がりを含む、損傷や変形等の異常がないことを確認しました。 また、当該の燃料集合体72体のうち、今後原子炉内に装荷を予定している4体の外観点検を実施し、ウォータ・ロッドの曲がりを含む、損傷や変形等の異常がないことを確認しました。
今回の報告書の概要は、別紙のとおりです。 以上
※1:チャンネルボックスは、燃料集合体を覆っている四角い筒状のもので、燃料集合体内の冷却材流路を確保するとともに、制御棒のガイド等の機能を持つ。
※2:燃料集合体の中央部に燃料棒と並行して設けられている中空の管で、内部に冷却材を通すことにより燃料集合体内部の出力の最適化を図るもの。
※3:「東北電力株式会社女川原子力発電所第3号機における燃料集合体チャンネルボックス上部(クリップ)の一部欠損について(指示)」(平成24年7月10日付)
以下の内容について、同年8月10日までに報告するよう指示されたもの。
「燃料集合体チャンネルボックス上部(クリップ)の一部欠損について(指示)」 (平成24年8月10日付)
以下の内容について、同年9月10日までに報告するよう指示されたもの。
以下の内容について、指示されたもの。
※4:女川1号機の原子炉内から取り出した燃料集合体368体を含む。
※5:女川2号機および同3号機の使用済燃料プールに貯蔵保管しているものを含む。
(別紙)
<これまでのチャンネルボックスの点検結果>
注1:うち1体は女川1号機から同3号機に号機間移送したもの。
<これまでのウォータ・ロッドの点検結果>
注2:再使用チャンネルボックスを装着した燃料集合体またはチャンネルボックスの脱着履歴のある燃料集合体について、今後原子炉内に装荷予定のもの。
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