プレスリリース

第4回「原子力のあり方に関する有識者会議」の開催結果について

平成26年 3月 4日

 当社は、本日、「原子力のあり方に関する有識者会議」を開催いたしましたので、その概要について以下のとおりお知らせいたします。
 本会議は、これからの原子力のあり方といった大きなテーマを見据え、原子力全般にわたる課題に関して、社外の有識者の方々から幅広くご意見・ご助言をいただくことを目的に設置したものです。
 第4回目となる本日の会議では、「当社原子力発電所の状況について」「地域への情報提供・コミュニケーション活動について」をテーマに、委員の方々からご意見・ご助言を頂戴しております。
 当社といたしましては、いただいたご意見・ご助言を踏まえ、地域の皆さまとのコミュニケーション活動や企業コンプライアンスのあり方など、具体的な施策に反映してまいります。

 
【第4回「原子力のあり方に関する有識者会議」開催結果の概要】
●開催日時     平成26年3月4日(火)9時00分〜12時10分

●開催場所     東北電力本店ビル

●出席者        別紙のとおり

●テーマ        「当社原子力発電所の状況について」
                   「地域への情報提供・コミュニケーション活動について」

●概要
 会議では、海輪社長からの挨拶の後、当社より「東通原子力発電所の状況」「女川原子力発電所の状況」「地域への情報提供・コミュニケーション活動」について説明し、出席委員の方々よりご意見をいただいた。
 本会議における社長の挨拶要旨および出席委員の方々からの主なご発言は以下のとおり。
 

【社長挨拶要旨】

  •  これまで皆さまから頂戴したご意見につきましては、その後の当社の安全対策の詳細検討や風通しの良い職場作り、地域の皆さまとのコミュニケーションづくりなど、様々に活用させていただいております。
  •  さらに、有識者会議以外にも、当社からの求めに応じ、技術的な側面やコミュニケーションなどについての視点から、専門的なアドバイスをいただいたり、社内講演会なども開催していただいたことについて、厚く御礼を申し上げます。
  •  現在の原子力の動向について触れさせていただきますと、当社の安全対策につきましては、震災以降、緊急安全対策などを継続的に実施してきております。それは何よりも、東京電力福島第一原子力発電所のような事故を二度と起こしてはならないという決意のもと、安全が最重要であるという前提で、これまで取り組んでまいりました。
  •  昨年7月に原子力規制委員会が定めた新規制基準が施行されました。この新規制基準は「世界最高水準の安全レベル」を目指したものであり、当社としては「この基準への適合性について、原子力規制委員会から技術的、専門的な審査を受けるのは重要なこと」と考え、当社の安全性向上に向けた取り組みについて、早期に審査いただきたいという観点から、鋭意準備を進めてきたところです。
  • 女川原子力発電所においては、震災により一部設備に被害があったこと、震源に最も近い発電所であること、三陸地域に立地していることなどから、適合性申請にあたり、非常に過酷な条件を想定し、昨年12月27日に女川原子力発電所2号機の適合性に係る審査申請を行い、現在審査が進められているところであります。
  • 東通原子力発電所においては、原子力規制委員会による「東通原子力発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合」でのご意見を踏まえて、敷地内断層の追加調査を実施しておりましたが、今年1月17日に、調査結果を取りまとめ、原子力規制委員会に報告いたしました。本報告に対し、今年2月24日に敷地内断層に係る評価会合が開催され、審議継続中であります。
  •  原子力発電への取り組みについて、着実に一歩ずつ前へ進めているところでありますが、当社といたしましては、福島第一原子力発電所事故の状況を踏まえ、安全対策を新規制基準以上に上積みしていくことが非常に重要なことと考えております。
  • あわせて、地域の皆さまが原子力に対して不安に思っているという状況であることから、住民の皆さまに対して、安全対策などについて、技術的な説明のほかに、コミュニケーションをとりながら、信頼を取り戻していく活動が必要であると考えております。「地域とともに歩む東北電力」として、十分に意を用いてまいりたいと考えております。
  • 本日の会議では、東通および女川原子力発電所の状況、地域とのコミュニケーション活動の取り組みなどについてご説明したうえで、皆さまからのご意見、アドバイスを頂戴したいと考えております。

 

 

【出席委員の方々の主なご発言】

 

「当社原子力発電所の状況」について
(冒頭、当社社員より、「東通原子力発電所の敷地内断層に係る追加地質調査報告書の概要」および「女川原子力発電所の安全性向上に向けた取り組みと2号機の新規制基準への適合性審査申請の概要」について説明)

 

  • 東通原子力発電所の敷地内断層の件も含め、原子力発電に関する資料は難解になりがちであるが、2種類の資料を用意し、原子力規制委員会の有識者会合や報道機関向けの説明と、一般の方々への説明とで使い分けが必要。理論立てて説明したいという考えが強いかもしれないが、一般の方々に分かっていただくためには、思い切って簡略化した資料で説明を行うことも必要である。
  • 更なる安全性向上の取組みについて、「原子力規制委員会が求める世界最高水準」といった時の値に「幅」があり「基準で求められるレベルはここまでだが、我々はさらに裕度を加えてこのレベルまで対応した」という説明が出来るのであれば、より一層の「安心」につながるのではないか。
  • 震災以降3年間、多くの安全対策を実施されてきたことに敬意を表する。
    安全対策を地域の方にご理解頂くポイントは大きく2点あるのではないか。1点目は安全対策そのものをきちんと説明していくこと。ただし、「深層防護」の考え方を説明することは至難の業であるが、地域の人々にとっては、放射性物質が外部に放出されるのか否かが大きな関心事であると思われることから、この点を考慮した説明をしていくことが有効と考えられる。加えて図面や「深層防護」という言葉に頼りすぎないように留意することが必要である。一つ一つの対策をやさしく丁寧に口頭で説明することも重要である。2点目は安全文化の姿勢を知ってもらうこと。これは、継続的に安全対策を追加・改善していることを理解してもらうということであり、例えば、訓練で毎回何を改善しているのかを見えるようにし、安全を追求する姿勢を理解してもらうことが大切である。

 

「地域への情報提供・コミュニケーション活動」について

  • 地域からの信頼感を高めていくためには、やはり、日頃からの情報提供に取り組む姿勢を積み重ねることが大切である。分かりやすい説明は必要であるが、それだけでは不十分である。これに加えて「情熱」や「本気度」を相手方に伝えることが、大きな視点で考えたときには重要である。
  •  「共同体」と「機能体」のコミュニケーションの違いに留意するべき。「共同体」は家族等が該当するが、この場合のコミュニケーションは向き合うことが重要。一方、「機能体」は会社といった組織が該当するが、この場合のコミュニケーションは、同じ方向を向いていくことが重要とされる。こうした視点から見ると「地域とのコミュニケーション」においては、同じ方向を向かせようとするのではなく「まずしっかりと向き合う」という「共同体」のコミュニケーションの視点が重要である。
  • 原子力災害に対する緊急時防護措置を準備する区域(UPZ)が設定され、コミュニケーションを図るべきエリアが広域化された。この点を踏まえると、「フェイス・トゥ・フェイス」によるコミュニケーションだけでは限界があり、メディアを介した情報提供などが必要ではないか。ただし、「地域の方々がこの情報を見たときに分かっていただけるか」という視点を忘れないでいただきたい。
  • 特に若い世代の方々には、原子力発電所の存在や役割、安全性について積極的に伝えていくことが必要ではないか。

以 上

 


 

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