プレスリリース

東通原子力発電所の放射線被ばく線量低減への取り組みについて 〜定期検査時に作業員が受けた被ばく線量が世界のBWRで最も低い発電所としてISOE委員会から表彰〜

平成21年12月24日

 当社東通原子力発電所(沸騰水型、定格電気出力110万キロワット:青森県下北郡東通村)は、平成19年1月から6月に実施した第1回定期検査時に放射線業務従事者(以下「作業員」という。)が受けた被ばく線量の総量が0.14人・シーベルト※1と、沸騰水型軽水炉(BWR)において世界で最も低い値であったことが国際機関であるISOE(職業被ばく情報システム)委員会※2から評価され、本日、表彰されました。

 

 東通原子力発電所では、従来から低い値を維持してきた女川原子力発電所(宮城県牡鹿郡女川町、石巻市)での経験を十分に生かしながら、発電所の建設工事から試運転(平成10年〜17年)において「安全で作業員が受ける線量の少ない信頼性の高い発電所」を目指した「クリーンプラント活動※3」を展開しました。

 また、平成17年12月の運転開始以降も原子炉水の水質管理を徹底するなど放射線源の低減に努めるとともに、作業の自動化や遠隔化といった作業効率化を進めてきました。

 このたびの受賞は、こうしたクリーンプラント活動などに全社をあげて取り組んできた成果であると考えております。

 

 当社といたしましては、今後とも作業員の放射線被ばく線量低減への取り組みを継続するとともに、発電所の安全・安定運転に一層努めてまいります。

 

以 上

 

 

 

※1 「シーベルト」と「人・シーベルト」

シーベルトとは、人体が放射線を受けた時、その影響の度合を図るものさしとして使われる単位で、私たちは1人当たり平均して1年間で約2.4ミリシーベルト(世界平均)の自然放射線を受けています。

放射線業務従事者の1人当たりの被ばく線量は、「5年間で100ミリシーベルトまたは年間で50ミリシーベルト」以下に管理するように法令で定められています。

一方、人・シーベルトとは、発電所で働く作業員の被ばく線量をすべて加算したもの(集団線量の単位)。

 

※2 ISOE(職業被ばく情報システム:Information System on Occupational Exposure)委員会

原子力発電所で働く作業員の放射線被ばく線量の低減に取り組むために、経済協力開発機構(OECD/NEA)および国際原子力機関(IAEA)を共同事務局とし、平成4年1月に発足。

同委員会が保有する職業被ばく情報システムは、全世界的な情報交換システムとして機能し、参加国は29ケ国、稼働中の約400基の原子力発電所のデータを保有している (2007年レポートより)。

 

※3 クリーンプラント活動

クリーンプラント活動とは、安全で、品質の高い、被ばくの少ない信頼性の高いクリーンなプラントを建設することを目的に、建設工事から試運転までの各段階に合わせた諸対策を実施したものである。主に以下の取り組みを徹底して実施した。

1. 異物混入防止のための作業環境の整備

2.サビの発生防止などを目的とした機器・配管等の養生管理

この活動の精神は、現在、「自分の家と同じように発電所に愛着を持ち、きれいに・大切に使う」という「マイプラント意識」として根付いている。

 

 

「プレスリリース本文のPDFファイルはこちら」印刷用PDF

←← 東北電力トップページ ← 元のページへ戻る