プレスリリース

1月定例社長記者会見概要

2024年 1月31日


○樋口社長からの説明事項

 本日もお忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。

 私からは、「2023年度第3四半期決算」および「2023年度業績予想」に加え、本日の取締役会で決定した4月以降の「役員人事」について、ご説明させていただきます。


〇「令和6年能登半島地震」について

 テーマに入ります前に、1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」について触れさせていただきます。

 あらためまして、このたびの地震によりお亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された皆さまに心からお見舞いを申し上げます。


 今回の地震では、石川県内において、大規模かつ長期にわたる停電が発生したほか、水道の断水や交通網の寸断、家屋を含めた建物倒壊など、甚大な被害が発生いたしました。


 当社ならびに東北電力ネットワークでは、ユアテックなどの協力工事会社とも連携し、電力復旧に向けて、北陸電力送配電へ、これまで延べ約1,000名の人員や、高圧電源車などを含む延べ約500台の車両の応援派遣を行ってまいりました。
 また、被災地域の円滑な支援を目的に、「能登半島地震復旧支援本部」を立ち上げ、本地震により被災された皆さまへの支援に、いささかなりともお役立ていただきたく、災害救援物資の提供のほか、日本赤十字社へ、当社および東北電力ネットワークで合わせて1,000万円の義援金を寄付させていただいたところであります。


 被災された皆さまが、一日でも早く日常の生活を取り戻していただけるよう、今後もできる限りの協力を行ってまいります。


〇2023年度第3四半期決算および2023年度業績予想について
 それでは、「2023年度第3四半期決算」および「2023年度業績予想」について、ご説明させていただきます。


<2023年度第3四半期決算>

 はじめに、当社の販売電力量は、前年に比べ夏場の気温が高かったことにより冷房需要が増加したものの、産業用における稼動の減少や、お客さまによる節電への取り組み影響などにより、小売の販売電力量が減少いたしました。
 加えて、エリア外への卸売の販売電力量が減少したことなどから、前年同期に比べ5.0パーセント減の、564億キロワットアワーとなりました。


 売上高は、高圧以上のお客さまなどの電気料金を見直したことによる増加などがあったものの、卸電力取引市場価格の低下により、市場や他の電力会社への販売収入である他社販売電力料が減少したことなどから、2兆563億円となり、前年同期に比べ、761億円の減、率にして3.6パーセント減の、「減収」となりました。
 次に、経常利益につきましては、燃料費調整制度のタイムラグ、いわゆる「期ずれ」の影響が、利益を大きく押し上げたことに加え、電気料金の見直しなどにより、前年同期に比べ、5,020億円増加し、2,788億円となりました。


 これにより、第3四半期決算としては、2015年度以来、8年ぶりの「減収増益」、2021年度以来2年ぶりの黒字決算となりました。


 なお、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に比べ、4,266億円増加し、1,963億円となりました。


 このように、収支は大きく改善したものの、有利子負債が、3兆3,280億円と高い水準にあることなどから、自己資本比率は、前年度末に比べ、3.6ポイント改善の14.1パーセントにとどまり、依然として低い水準にあります。


 先ほど、ご説明いたしましたとおり、第3四半期決算につきましては、2,788億円の経常利益となりましたが、前年同期実績からの変動額5,020億円のうち、燃料費調整制度によるタイムラグ影響が、およそ半分となる2,700億円を占めております。
 これは、2022年の急激な燃料価格の高騰や、2023年に入っての下落傾向といった、燃料価格の大幅な変動に伴う一時的な要因であり、この燃料費調整制度によるタイムラグ影響を除いた実力値ともいうべき 経常利益は、1,858億円となっております。


 ここで、昨年10月の第2四半期決算公表の際にもご説明いたしましたが、あらためて、燃料費調整制度によるタイムラグ影響について補足させていただきます。


 燃料費調整制度によるタイムラグ影響とは、実際の燃料価格に基づき燃料費を支払うタイミングと、その燃料価格が、燃料費調整額として電気料金の収入に反映されるタイミングに差異が生じることで発生するものです。


 このため、当社の収支上も、燃料価格の変動による影響を遅れて受けることになります。


 前年同期の燃料費調整制度によるタイムラグ影響が、マイナス1,770億円の差損であったのに対し、当第3四半期はプラス930億円の差益となり、差し引きで2,700億円の収支改善となっています。
 当第3四半期においては、11月まで燃料価格の下落が継続したことから、収支にプラスの影響を与えておりますが、今後燃料価格が上昇していく場合は、一転して、収支にマイナスの影響を与えることになります。


 現在、いずれの燃料価格も、昨年のピーク時からは下落しているものの、現在の世界情勢などを踏まえますと、こうした収支変動リスクについては、引き続き、注視していく必要があるものと考えております。


<2023年度業績予想>
 続きまして、2023年度の業績予想についてご説明させていただきます。


 2023年度の業績予想について、足元の燃料市況や需給状況などを踏まえ、2023年7月31日に公表した売上高および各利益の見通しを修正いたしました。
 連結業績予想における売上高は、燃料価格の低下に伴う燃料費調整額の減少などにより、2兆8,300億円程度となる見通しです。


 次に、経常利益につきましては、昨年7月の予想時よりも、燃料価格が低位に推移したことに伴い、燃料費調整制度のタイムラグ影響が更に利益を押し上げる見込みとなったことや、卸電力取引市場価格が低位に推移したことに伴い、再エネ交付金が増加したことに加え、燃料調達から発電・卸売まで一体となった、需給最適化などの効率化の深掘りなどにより、2,800億円程度の利益となる見通しです。


 また、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,000億円程度の利益となる見通しです。


 続きまして、2023年度の期末配当予想について、ご説明させていただきます。


 先ほど申し上げたとおり、2023年度の業績予想について、利益は上方修正いたしましたが、これまでもご説明してまいりましたとおり、当社は、2021、2022年度の2年にわたる大幅な損失計上により、有利子負債が増加し、自己資本比率が大幅に低下しております。


 今回の上方修正を踏まえても、自己資本比率は14パーセント程度と低位にとどまり、有利子負債残高は3兆円を超える高い水準にあるなど、依然として厳しい財務状況にあります。


 このため、当社といたしましては、近年相次いで発生している大規模自然災害や、近年の急激な燃料価格の変動リスクもある中、電力の安定供給を維持していくためにも、有利子負債を削減しながら、自己資本を可能な限り早期に回復させることが急務と考えております。


 こうしたことから、2023年度の期末配当予想については、これまで同様、「1株当たり10円」とさせていただきたいと考えております。
 株主のみなさまには何卒ご理解いただきたく存じます。


 以上が、2023年度第3四半期決算および2023年度業績予想の概要であります。


 当社といたしましては、引き続き、電力需給の最適化を図りながら、グループ全体で「原子力発電所の再稼働」、「サービス提案の強化」、「経営全般の徹底的な効率化」に取り組み、早期の財務基盤回復に努めてまいります。


〇役員人事について
 次に、4月1日付および6月の株主総会日付の役員人事について、ご説明いたします。


【取締役の人事について】
 4月1日付の取締役人事につきまして、代表権のある取締役副社長、社外取締役および取締役監査等委員については、変更ございません。


 一方、取締役である大野貞彦氏が退任し、東北発電工業の取締役副社長に就任する予定です。


 6月株主総会日付の取締役人事につきましては、新たに、佐々木裕司氏が取締役に就任いたします。


 また、社外取締役には、新たに、カルビー株式会社相談役の伊藤秀二氏に就任いただきます。


 一方、社外取締役である上條努氏は、第100回定時株主総会をもって退任されます。

 上條氏におかれましては、経営に関する豊富な経験や卓越した識見を基に、これまで6年間にわたり、当社取締役会での経営の監督に多大なる貢献をいただきました。この場をお借りして、改めて御礼を申し上げます。


【役付執行役員の人事について】
 なお、今回の役員人事より、「重大な労働災害を何としても撲滅していく」という経営の強い意思を明確に示すため、新たに「安全保安担当」を配置するとともに、企業グループ大でのDX推進や、行為規制の徹底に向けたシステム分離等に適切に対処するため、新たに「最高デジタル責任者(CDO)」を配置いたします。


【東北電力ネットワークの役員人事について】
 最後に、東北電力ネットワーク株式会社の役員人事について、本日開催された同社の取締役会で決議された旨の報告を受けております。


 本日、私からは以上です。

以 上



(注)樋口の「樋」は、一点しんにょう


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