プレスリリース

7月定例社長記者会見概要

2022年 7月29日

口社長からの説明事項

 本日もお忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。
 私からは、「2022年度第1四半期決算および2022年度業績予想」、ならびに「自由化部門お客さまの電気料金の取り扱い」について、ご説明させていただきます。


○2022年度第1四半期決算および2022年度業績予想ならびに配当予想について
 それでは、「2022年度第1四半期決算および2022年度業績予想」からご説明させていただきます。


<2022年度第1四半期決算>
 はじめに、当社の販売電力量は、春先の気温が低かったことによる暖房需要の増加があったものの、競争の進展に伴う契約の切り替えなどによる小売の販売電力量の減少や、火力発電所の停止に伴い、エリア外への卸売の販売電力量が減少したことなどから、前年同期に比べ0.9%減の、184億kWhとなりました。


 売上高は、燃料費調整額が増加したことなどから、5,582億円となり、前年同期に比べ、1,576億円の増、率にして39.4%増の、「増収」となりました。


 次に、経常損益については、燃料価格の高騰や、卸電力取引市場の価格の上昇により、電力調達コストが大幅に増加したことなどから、前年同期に比べ、471億円減少し、286億円の損失となりました。


 これにより、第1四半期決算としては、2017年度以来、5年ぶりの「増収減益」、損失となるのは、2013年度以来、9年ぶりとなります。


 また、親会社株主に帰属する四半期純損益は、前年同期に比べ、410億円減少し、312億円の損失となりました。


<2022年度業績予想>
 続きまして、2022年度の業績予想について、ご説明いたします。


 2022年度の業績予想につきましては、これまで未定としておりましたが、3月に発生した福島県沖地震で被害を受けた火力発電所の復旧時期の見通しが立ったことなどを踏まえ、一定の前提を置いて算定いたしました。
 その結果、売上高については、燃料費調整額の増加などにより、2兆7,400億円程度となる見通しです。


 次に、経常損益については、第1四半期決算と同様、燃料価格の高騰や、卸電力取引市場の価格の上昇により、電力調達コストが大幅に増加する見込みであることから、連結決算を開始した1994年度以来で最大となる、2,000億円程度の損失となる見通しです。


 これにより、通期としては、「増収減益」と想定しております。
 また、親会社株主に帰属する当期純損益は、1,800億円程度の損失となる見込みです。


<2022年度配当予想>

 最後に、2022年度の配当予想につきましては、今ほど申し上げた2022年度業績予想などを踏まえ、中間・期末ともに見送らせていただく予定といたしました。
 株主の皆さまからのご期待にお応えすることができないことにつきまして、大変申し訳なく思っております。


 以上が、2022年度第1四半期決算、および2022年度業績予想・配当予想の概要であります。


〇自由化部門お客さまの電気料金の取り扱いについて
 続きまして、「自由化部門お客さまの電気料金の取り扱い」について、ご説明いたします。


 当社は、自由化部門のお客さまの電気料金の取り扱いについて検討してまいりましたが、本日、「高圧以上の電気料金単価見直し」および「低圧自由料金プランの燃料費調整制度における上限設定の廃止」を決定いたしました。


 具体的には、高圧以上のすべてのお客さまについて、基本料金および電力量料金を見直し、2022年11月以降のご契約分から新たな単価を適用させていただきます。


 これにより、契約種別ごとのモデルケースで見ますと、見直し前の水準に比べて、約16%から18%の値上げになるものと試算しております。


 また、自由料金プランでご契約いただいている低圧のお客さまについて、2022年11月の検針日以降に電気をお使いいただいた12月分の電気料金から、燃料費調整制度の上限を外した形で燃料費調整額を反映させていただきます。

 これにより、燃料価格の高騰が継続した場合には、これまでよりも、お客さまのご負担が大きくなるものと考えております。
 なお、12月分の燃料費調整額は10月下旬に確定いたしますが、仮に9月分の燃料費調整単価で試算しますと、標準的な家庭用モデル料金において、約13%の値上げとなります。

 

 今回の見直しにより、自由化部門のお客さまに、より一層のご負担をお願いすることは、電力の安定供給を維持するため、当社としても苦渋の決断でありました。
 今回の見直しのお願いに至った経緯について、説明させていただきます。


 当社は、2013年9月の電気料金改定以降、電力小売自由化による販売競争が激化する中、徹底した効率化を進め、継続してコスト競争力の強化を図りながら、電力の安定供給に努めてまいりました。


 こうした中、2021年2月、2022年3月の福島県沖を震源とする地震により、宮城県ならびに福島県に設置している一部の火力発電所において、甚大な設備被害を受けました。

 これにより、設備復旧に係る費用に加えて、供給力を確保するため、火力発電所の停止期間中は、代替の電力を卸電力取引市場から調達するコストが必要となっております。


 皆さまご案内のとおり、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻や、急激な円安の進行により、石炭やLNGなど、すべての燃料種の価格が急騰しております。これに伴い、卸電力取引市場におけるスポット市場価格も高い水準で推移していることから、当社においても、燃料調達コスト、ならびに市場からの電力調達コストが大幅に増加し、現在も、電力の供給コストが電気料金の収入を上回る、いわゆる「逆ザヤ」の状態が続いております。


 このようなコストの増加は、地震やロシアによるウクライナ侵攻など、一過性の要因によるものだけではありません。東日本大震災以降の省エネや節電意識の高まり、小売全面自由化以降の競争の進展により、特に高圧以上の販売電力量が減少しております。
 また、東北・新潟地域では、再生可能エネルギーの普及拡大に伴い、火力発電所の稼働率が低下するなど、需給構造が大きく変化しております。


 このような中、コスト競争力を高めるためには、経年火力の廃止を含む効率的な設備形成を目指していく必要がある一方、安定供給を果たすために、再生可能エネルギーの出力変動に対する調整力として、稼働率の低下した発電設備を維持していく必要があります。


 当社の収支は、燃料調達や電力調達コストの大幅な増加などにより、連結では2年連続の赤字決算となる見込みであり、特に、自由化部門は大幅な赤字となっております。


 自己資本比率も、2022年度中には東日本大震災時を下回る水準まで急激に悪化する見込みであり、財務体質が悪化し続けた場合には、格付けの引き下げにより資金調達に支障が生じることで、安定的な燃料調達や、電力設備の更新・修繕などへの投資を十分に行うことができず、電力の安定供給に影響を及ぼすおそれがあるものと危惧しております。


 こうしたことから、当社は、現在、国の審議会でおいて進められている「電気料金の在り方」に関する議論も踏まえたうえで、今回の見直しを行うこととしたものです。


 自由化部門のお客さまにおかれましては、燃料費の高騰による燃料費調整額の高止まりにより、現時点においても大きなご負担をおかけしている中、より一層のご負担をお願いすることにつきまして、何卒ご理解いただきますよう、お願い申し上げます。


 当社といたしましては、引き続き、徹底した経営効率化に取り組み、電力需給の厳しい時期においても、お客さまに広く安定的に電力をお届けするとともに、少しでもお客さまのご負担軽減につながるよう、電気の効率的なご利用方法のご提案に取り組んでまいります。


 今般、このような形で一部のお客さまに料金の値上げをお願いせざるを得ないこと、併せて、今年度は大幅な赤字の見通しであり、株主の方々への配当を見送らざるを得ない状況であることを大変重く受け止めております。


 このため、今般、私をはじめ、役員報酬の一部を、自主返上することといたしました。お手元の資料にも記載しておりますが、既に業績悪化に伴い年俸の最大20%を減額していることに加えて、2022年8月より2023年3月までの間、月額報酬の最大10%を自主返上させていただきます。


 最後になりますが、当社では、足元の収支状況を踏まえ、財務基盤の強化と将来の成長に向けた投資資金の確保を目的に、「公募ハイブリッド社債」を発行することといたしました。
 必要な投資に向けた資金調達、および財務基盤の強化を図り、お客さまへの電力の安定供給を果たしてまいります。

 本日、私からは以上です。


以 上

(注)樋口の「樋」は、一点しんにょう


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