プレスリリース

2月定例社長記者会見概要

2022年 2月24日

 

〇樋口社長からの説明事項

お忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。

本日、私からは、「今冬における電力の安定供給に向けた取り組み」に加えまして、本日の取締役会で決定した2021年度・期末配当予想の修正について、ご説明をさせていただきます。

 

〇今冬における電力の安定供給に向けた取り組みについて

当社では、昨年冬の需給ひっ迫への対応をはじめ、これまでに培ってきた知見などを生かし、寒波の襲来による需要の急増に伴う燃料の不足、火力および水力発電所のトラブルによる供給力の不足など、さまざまなリスクを回避するため、今冬に向けて対策を講じてまいりました。

 

その結果、当社としては必要な供給力を確保し、電力の安定供給を継続してきておりますが、この冬の当社の具体的な取り組みについて、燃料の安定調達や発電所の安定運転の視点からご紹介させていただきます。

 

昨年の冬は電力需要の増加に加え、LNG在庫不足などにより、全国的に電力の需給が厳しい状況となりました。

 

LNGの調達を巡っては、燃焼時のCO2排出量が少ない低炭素エネルギーとして、世界的に需要が高まるとともに、ウクライナ情勢の緊迫化といったリスク要因もあり、現在、燃料価格が高水準で推移し、調達環境も厳しさを増しております。

 

こうした現下の状況を踏まえ、LNGについては、冬期を迎える前に、長期契約により一定数量を確保しながら、需給状況を見極め、スポット調達や短期契約を柔軟に活用し、必要な燃料の確保に努めました。

加えて、燃料油についても、需要増加が見込まれる状況を見越して、早期に入札で一定数量を確保しております。

 

冬期は暖房需要などにより1年間で最も電力需要が高まる一方で、供給面では、日照が少なく太陽光の発電量が低下します。これらに伴い必要となる供給力は、主にLNG火力の供給量を増やすことで、確保している状況にあります。

 

このため、冬期のLNGの在庫は、通常よりも高い水準で確保しますが、昨年の冬の状況を踏まえ、例年にも増して高い水準で維持するよう努めるとともに、石炭、燃料油についても高めの水準で確保することで、発電所の安定稼働につなげてまいりました。

 

先ほど申し上げましたとおり、燃料調達の環境は依然として厳しい状況が続いておりますので、マーケットの動向を注視しつつ、安定供給に支障が生じないよう、引き続き安定調達に努めてまいります。

 

こちらは、夏・冬それぞれの1日の電力需要に応じた電源構成のイメージを示したものです。火力発電は刻々と変わる需要と再エネの出力変動を調整する役割に加え、先ほども申し上げましたとおり、冬期は、需要が高まるとともに太陽光の発電量も低下しますので、これらに伴い必要な供給力を主に火力発電で対応しております。

 

火力発電所については、1基あたりの出力が大きいため、トラブルなどにより停止となった場合、供給力に大きな影響を与えることになりかねませんので、緊張感を持って安定供給に取り組む必要があります。

 

当社の火力発電所における取り組みについてご説明いたします。

 

今年の冬については、八戸火力などで、定期点検の時期を可能な限り需要ピーク期間を回避して計画することで、供給力の確保につなげております。

 

また、原町火力2号機においては、3月以降の定期点検期間中に計画していた設備の補修について、計画を前倒しし、需要が緩む年末年始に実施することで、1月以降の厳冬期を万全の状態で迎えることができております。

 

こうした取り組みにより、当社の火力では大きなトラブルもなく、安定運転を継続しておりますが、火力発電所の安定運転には、機器の点検や清掃に加え、異常兆候の早期発見に向けた運転データの管理・監視やパトロールといった日頃の取り組みが非常に重要ですので、引き続きしっかりと取り組んでまいります。

 

次に水力発電所における取り組みについてご説明いたします。

 

水力発電所は非常に険しい山間部に位置しているものが多く、冬期においては、水路が氷や雪により閉塞しますと、稼働できない状態となりかねないため、雪が降った都度、除雪を行う必要があります。

 

これまでは社員が実際に現地に赴き、現状確認や除雪に係る対応を行っておりましたが、福島県にあります伊南川発電所では、この冬より、現地の状況確認の手段として、新たにドローンを採用いたしました。

 

比較的安全な場所から、ドローンにより積雪などの状態の確認を行い、このライブ映像をもとに発電所設備を操作し、排水を利用して除雪作業を実施することで、従来に比べ、安全かつ短時間での除雪作業が可能となりました。

今年は山間部も積雪が多い状態が続いていますが、こうした対応に加え、従来から行っております巡視や運転状況の確認により、故障発生の未然防止を図り、安定運転につなげております。

 

なお、以降に、東北電力ネットワークの資料といたしまして、東北6県と新潟県全体の、この冬における需給実績に関するデータ等を添付しております。

昨年の12月下旬から平年を下回る低気温の日が多く、1月18日には冬季の最大電力としては、2016年以降で最大となる1,483万kWを記録しております。

資料にあるとおり、必要な供給力は確保されており、概ね安定的な需給状況を維持することができました。

 

電力の安定供給に支障が生じますと、日々の暮らしや経済活動などへ大きな影響を及ぼしますので、当社としては、引き続き、緊張感を持ちながら各発電所の安定運転・トラブルの未然防止や燃料の安定調達に努め、電力の安定供給に全力を尽くしてまいります。


〇2021年度期末配当予想について

次に、2021年度の期末配当予想の修正について、ご説明いたします。

 

今年度の期末配当予想につきましては、1月31日に公表いたしましたとおり、今後の燃料価格の動向が不透明であるなど、中長期的な収支への影響を見極める必要があったことから、それまでの「1株あたり20円」の予想を「未定」に修正いたしました。

 

当社の経営環境は、世界的な燃料価格の高騰に加え、新型コロナウイルスによる影響が不透明であること、電力小売の競争激化などから、厳しい状況が継続していると認識しております。

 

また、今年度の業績は、燃料費調整制度のタイムラグ影響の拡大など一時的な要因により、連結経常利益は500億円程度の損失となり、2012年度以来9期ぶりに損失を計上する見通しです。

 

こうした収支の状況に加え、世界的な燃料価格高騰により、たとえば電気をお使いのお客さまにも、燃料費調整制度に伴い電気料金の上昇という形でご負担をいただいている状況や、お客さまや株主さまなどのステークホルダー間のバランスや安定的な配当に対する株主さまのご期待などを総合的に勘案し、誠に遺憾ではございますが、期末配当予想は「1株当たり15円」とさせていただきました。

 

当社といたしましては、今後も中長期ビジョンの方向性は堅持しつつ、想定を上回るスピードで事業環境が変化している状況を踏まえ、より踏み込んだ取り組みを推進していくとともに、電力供給事業の更なる構造改革の断行による利益創出力の強化を進め、株主の皆さまのご期待にお応えしてまいる所存です。

 

本日、私からの説明は以上です。

 

以 上

 

 (注)樋口の「樋」は、一点しんにょう


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