「創・省エネ屋内農場システム」を活用したカーボンフリー電力による栽培野菜の出荷・販売開始について〜「東北発のサステナブル農業」がスタート〜
2022.04.06
次世代エネ・グリーンエネ
(概要) |
近年、農業界においては「農業従事者の減少・高齢化」「自然災害の激甚化に伴う被害規模の拡大」「気候変動による影響(不安定な生産量や品質)」など、持続可能性に係る課題が顕在化しております。
こうした課題解決に向けて、東北電力はプランツと連携して、2021年11月から「創・省エネ屋内農場システム」※2(以下「本システム」)によるソリューションサービスの提供を開始いたしました。
東北電力では、2022年2月、本システムを導入した実証施設をヨークベニマルの物流センター(宮城県仙台市)の隣接地に設置し、同施設において、屋内栽培のノウハウを有するプランツと、宮城県内で農業を営む西野農園が、共同で※3レタスの栽培を進めてまいりました。
本実証施設では、太陽光発電設備と蓄電池に加え、東北電力が提供する再エネ100%の電気を組み合わせることでカーボンフリー電力による野菜の栽培を実現 しております。
また、生産場所と物流センターを隣接させることで、フードマイレージ(食料の輸送距離)によるCO2排出量の削減にも大きく貢献しております。
さらに、西野農園では、施設内で育てた野菜苗を露地栽培で定植するなど、地域農業と連携した計画も進めているところです。
加えて、本プロジェクトの実施にあたっては、宮城県の「園芸作物サプライチェーン推進事業」補助金を活用しております。
宮城県は生産、流通、実需の各事業者が連携して取り組む、競争力の高い園芸作物サプライチェーンの構築を支援しており、付加価値※4を高めて、重点振興品目(県戦略品目)であるレタスを栽培する本プロジェクトが補助金の対象となったものです。
ヨークベニマルでは、これまでもセブン&アイグループによる環境対策「GREEN CHALLENGE 2050」への参加企業としてSDGsの取り組みを積極的に進め、地場野菜の販売拡大によるフードマイレージの削減、店舗への太陽光パネルの設置(既設20店舗)によるエネルギー由来のCO2削減や、プラスチック使用削減などに取り組んでまいりました。
本プロジェクトでは、カーボンフリー電力により1日あたり1,000株のレタスが生産できる能力を有し、本日から宮城県内の仙台市近郊の20店舗※5に出荷を開始いたします。また、5月からは宮城県内のヨークベニマル61店舗に拡大いたします。「さらに環境にやさしく、さらに鮮度や安全性を重視した高品質野菜」※6を販売することで、お客さまにより一層の付加価値を提供していきたいと考えております。
また、今後は、レタス以外の品物(ほうれん草等)の生産・販売も検討してまいります。
東北電力、プランツ、西野農園、ヨークベニマルは、地域一体となったサプライチェーンを構築し、引き続き「サステナブル農業」の具現化に積極的に取り組んでまいります。
以 上
※1 従来の地域の枠をこえた県内広域での連携による生産体制を構築するため、地域農業を牽引する農業法人や、実需者、流通業者等が実施する推進事業及び機械・施設等の整備を支援することを目的とした事業
※2 プランツが有する「天候・自然災害に左右されない安定した栽培技術」や「小型で場所を選ばず設置できる独自の建屋構造、遮熱技術」と、東北電力が独自に開発した創エネ・省エネに有効なシステムを組み合わせることで、電化による 効率的なエネルギー管理を行い、環境に優しく、農業従事者や農作物にとっても快適な空間を創出
※3 栽培については、プランツの100%子会社である「LEAFRU TOHOKU株式会社」と「株式会社西野農園」が実施
※4 東北電力のカーボンフリー電力による栽培、物流センター隣接地での栽培によるフードマイレージの削減、衛生的な室内における栽培期間中の農薬不使用等
※5 若林店、仙台六丁の目店、仙台西の平店、茂庭店、富沢西店、仙台中山店、石巻蛇田店、市名坂店、利府店、塩釜店、多賀城店、南吉成店、山田鈎取店、名取西店、遠見塚店、新田東店、あすと長町店、フォレオ東仙台店、荒巻店、仙台愛子店
※6 本実証施設で栽培した野菜は、世界基準の農業認証である「GLOBAL G.A.P.」を取得予定
(注)樋口の「樋」は、一点しんにょう