原子力情報 The information of Nuclear Power

当社原子力発電所の原子力規制検査における2022年度第2四半期評価結果(核物質防護関係)について

2022年11月22日

 本日、当社原子力発電所の原子力規制検査における2022年度第2四半期の評価結果(核物質防護関係)が、原子力規制委員会へ報告されました。
 内容については、以下のとおりです。

<2022年度第2四半期の評価結果(核物質防護関係)>

 

女川原子力発電所

東通原子力発電所

指摘事項等

あり

なし

件 数

1件

<指摘事項等の詳細>

件 名

女川原子力発電所における核物質防護事案(出入管理)

概 要

  • 事象概要
    • ・原子力発電所へ車両で入域する場合、常時入域することを認めた「車両許可証」、または一時的に入域を認めた「臨時車両許可証(使用できる期間や回数に制限あり:以下、「使用制限」)を発行している。
    • ・5月10日に当社は、入域車両許可申請の受付を担当する警備会社(A社)から、「臨時車両許可証」の申請数と利用数に乖離があると報告を受けた。
    • ・このため当社は、立入制限区域の出入管理を担当する警備会社(B社)に事実関係を確認したところ、正門守衛所において立入制限区域の出入管理を担当する警備員(以下、「警備員(B①)」)が、正規の手続きが行われていない状態で「臨時車両許可証」を発行していたことが判明。これを受け、当社では改善に向けた検討に着手した。
    • ・7月27日、原子力規制庁は、女川原子力発電所における改善措置活動(四半期ごとに提出)の内容確認をする中で、本事案に関する事実関係を確認した。
    • ・当社は、8月2日〜3日に原子力規制庁の検査を受けた。
  • 正規の手続きが行われていない状態で「臨時車両許可証」が発行された経緯
    • ・警備会社(B社)は、当社との警備業務の委託契約内容の変更に伴い、常時入域するための「車両許可証」をあらためて取得する必要が生じ、発電所(核物質防護担当)に「車両許可証」の申請を行った。
    • ・一方、発電所では、安全対策工事に従事するために入域する作業員が多く、「入構許可証」や「車両許可証」等の発行にかかる業務量が増加していた。
    • ・警備会社(B社)の警備員は、「車両許可証」の取得に時間を要することから4月19日から5月1日まで、正規の手続きにより取得した「臨時車両許可証」を使用し発電所構内に入域していた。
    • ・警備会社(B社)の関係車両が使用する「車両許可証」の申請を担当する警備員(以下、「警備員(B②)」)は、「車両許可証」が発行されない状態が続いていたことから、5月2日以降の「臨時車両許可証」の申請を行った。
    • ・発電所で核物質防護を担当する当社社員(以下、「当社社員」)は、「臨時車両許可証」の使用制限を超えることを理由に申請を受け付けなかった。
    • ・このため、警備員(B②)は、「臨時車両許可証」をこれ以上申請できないと考え、警備員(B①)に対して、正門守衛所で保管・管理していた「臨時車両許可証」を正規の手続きを行わずに発行するように指示した。
    • ・この指示を受けた警備員(B①)は、正規の手続きを行っていない「臨時車両許可証」を発行し、5月4日から5月10日までの間、警備会社(B社)の警備員が使用する関係車両(延べ53台)を立入制限区域へ入域させた。
    • ・なお、立入制限区域に入域した警備会社(B社)の関係車両の乗車員は、正規の手続きを行ったうえで、当社が発行した「入構許可証」を所持していた。
    • ・また、「臨時車両許可証」は立入制限区域のみにしか入域できない許可証のため、関係車両(延べ53台)は、周辺防護区域には入域していない。
  • 本事案の原因
    • ①「臨時車両許可証」は正門守衛所で保管・管理しており、警備員(B①、B②)の判断で使用できる状態になっていた。
    • ②「臨時車両許可証」には使用制限があり、業務の都合上、制限を超えて使用する必要がある場合などの事情に対応できないルールとなっていた。
    • ③警備員(B①、②)は、正規の手続きを遵守する意識が不足していた。
    • ④当社社員は、警備員(B②)が「臨時車両許可証」の制限を超える申請を行った理由を確認しなかった。一方、警備員(B②)は、「臨時車両許可証」の申請が必要である事情を当社社員に伝えなかった。
  • 再発防止対策
    • ①-1「臨時車両許可証」の保管場所を、正門守衛所から当社が管理できる場所に変更し、保管・管理の厳格化を図った 。
    • ①-2「警備会社(B社)に委託している全ての業務について、ルール通り実施されているか当社社員が点検を行い、問題がないことを確認した。
    • ②「臨時車両許可証」の取り扱いに関して、業務の都合上、制限を超えて使用する必要がある場合には、その理由を付して申請できるよう一部ルールを見直した。
    • ③本事案の概要や原因・対策、ルール遵守の重要性について、当社社員ならびに警備員に対して再教育を行った。
    • ④当社と警備会社(B)のコミュニケーションの改善を図るため、対話活動を定期的に実施している。

 当社としては、本事案に係る再発防止対策を確実に実施することで、同様の事案を発生させないことはもとより、引き続き、原子力発電所における核物質防護の確実な実施に努めていく。

重要度

緑(参考資料参照)

深刻度

SL Ⅳ(参考資料参照)

【発電所構内のイメージ図】

発電所構内のイメージ図

※核燃料物質を使用・貯蔵する建屋を防護するための区域で最も外側に位置する区域(構内)。

以 上


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