女川原子力発電所2 号機における原子炉格納容器内水素濃度検出器の交換に伴う原子炉の計画停止について

2025.08.19

原子力発電

当社は、女川原子力発電所2号機の原子炉格納容器※1内に設置している2台の水素濃度検出器に不具合が確認されたことを踏まえ、今後の安定運転に万全を期すため、原子炉を計画的に停止し、健全な残り2台を含む全4台の水素濃度検出器を交換することといたしました。

現在の計画では、8月21日頃に原子炉を停止し、水素濃度検出器の交換作業を実施する予定です。交換作業完了後、準備が整い次第、原子炉を再起動する予定であり、停止から再起動までは10日間程度を見込んでおります。


1.これまでの経緯

女川2号機では、重大事故等発生時の水素濃度を監視するために、圧力抑制室※2および格納容器内に各2台ずつ、計4台の水素濃度検出器を設置しています。

2025年5月26日に圧力抑制室内の水素濃度検出器1台が正しい値を示していない状態にあると判断し、使用を停止しました。次いで、6月20日には、格納容器内の水素濃度検出器1台についても、正しい値を示していない状態にあると判断し、使用を停止しました。

現在、圧力抑制室および格納容器内の水素濃度は、残る各1台の水素濃度検出器により適切に監視が可能であり、原子炉施設保安規定※3における運転上の制限を逸脱するものではないことから、発電所の運転に影響はありません。

また、これらの事象による放射能の外部への影響はなく、法令に基づく国への報告が必要となる事象にも該当しておりません。(2025年5月27日および6月20日にお知らせ済み)


2.計画的に停止する理由

使用を停止した水素濃度検出器2台は、次回定期事業者検査において点検・交換を予定しておりました。

一方で、今後の安定運転に万全を期す観点から、前倒しで点検・交換することも併せて検討してきました。

このたび、交換用の水素濃度検出器の調達に目途が立ったことから、原子炉を計画的に停止し、予防保全の観点で4台全てを交換することとしたものです。


当社といたしましては、早期に原因究明を図るとともに、引き続き安全確保を最優先とした原子力発電所の運転に努めてまいります。


以 上


※1 原子炉格納容器は、原子炉圧力容器やポンプを覆っている寸胴形の容器と圧力抑制室で構成される気密性の高い容器。万一の配管破断事故などにより、原子炉設備から放出される放射性物質を閉じ込める役目を果たす。

※2 圧力抑制室は、原子炉格納容器の一部で、大量の水を常時貯蔵している円環形(ドーナツ状)の構造物。格納容器内の配管が破断し、蒸気が発生して圧力が上昇した場合などに、蒸気を圧力抑制室に導き冷却することで、原子炉格納容器の圧力を下げる。

※3 原子炉施設保安規定において、発電所の安全機能を確保するため、原子炉の状態に応じ、動作可能な機器(非常用炉心冷却系、非常用ディーゼル発電機)、受電できる外部電源などの必要数や、遵守すべき温度や圧力などが定められている。