東通原子力発電所1号機における安全対策工事の完了時期に係る公表時期の見直しについて
2025.08.18
原子力発電
当社は、東通原子力発電所1号機における安全対策工事の完了時期について、2025年9月までにプラント審査準備※1を完了した上での公表を目指してまいりましたが、敷地造成に関する対応状況等を踏まえ、今後の工程の見通しを得るためには、更に1年半程度の期間を要すると判断しました。
安全対策工事の完了時期については、2027年3月頃の公表を目指してまいります。
【検討の経緯について】
当社は、昨年4月、東通原子力発電所1号機のプラント審査準備に向けて、PRA津波の対策※2等に詳細な検討が必要であることから、安全対策工事の完了時期についてはプラント審査の準備が整い、今後の工程の見通しが得られた段階でお知らせすることとしておりました。(2024年4月22日お知らせ済み)
また、プラント審査準備については、2024年4月から「1年半程度」を要する見込みとしておりました。(2024年5月31日審査会合においても説明済※3)
その後、プラント審査の準備を進めるのと並行して、基準津波※4に対する裕度を積み増しするための「敷地造成」を検討し、本年2月より敷地造成に伴う基準津波等への影響について、新規制基準適合性審査の対応を鋭意行っているところです。
現行の基準津波(T.P.+12.1m)は耐震重要施設等が設置されている敷地高さ(T.P.+13.0m)を下回っており、新規制基準に適合している状態ですが、東通1号機を将来に亘って長期かつ安全・安心に運転していく観点から、敷地造成を計画し、基準津波に対する裕度の積み増しを図ることとしております。
敷地造成は、結果してPRA津波対策にも有効に働くことが期待され、津波に対する安全性は確実に向上するものと考えておりますが、一方で、敷地造成に関する審査の進捗に伴い、基準津波の再評価を進めていることから、今後、PRA津波対策について再検討を行う必要があります。
また、重大事故等対処施設を含む施設の配置計画についても、改めて検討が必要となります。
このように、基準津波の再評価が必要となる等、プラント審査準備を進めるうえでの前提が変わり、PRA津波対策の再検討や施設の配置計画といったプラント審査準備について、更に時間が必要となった状況を踏まえ、今回の判断に至ったものです。
当社といたしましては、今後とも、新規制基準適合性審査ならびに安全対策工事に全力で対応してまいります。
また、新規制基準への適合にとどまらず、原子力発電所のさらなる安全レベルの向上に向けた取り組みを着実に進めていくとともに、地域の皆さまからのご理解をいただきながら、できる限り早期の再稼働を目指してまいります。
以 上
※1:プラント審査
・地震、津波、火災等への設備対策や、重大事故等に対処するための安全対策等の設備に関する審査のこと
※2:PRA津波対策
・PRA津波は発生確率が極めて小さいものの、発電所への影響が大きい津波であり、PRA津波が原子力施設に与える影響を定量的に評価し、対策を検討する必要がある
・東通原子力発電所1号機における基準津波の最大水位(T.P.+12.1m)は発電所の敷地高さ(T.P.+13.0m)を下回るものの、PRA津波は発電所の敷地高を越える評価となる可能性があるため、対策の検討が必要となる
※3:2024年5月31日審査会合においても説明済
・2024年5月31日の審査会合「東通原子力発電所1号炉 今後の審査対応について」において、「プラント審査資料一式の準備に1年半程度を要する見込み」であることを説明
※4:基準津波
・地震、地すべり、火山現象などにより、発電所に襲来する津波の想定高さのことで、津波を発生させる要因等を検討し、様々な数値シミュレーション等を踏まえて策定するもの
・2024年2月の審査会合で概ね妥当と評価されているが、現在、敷地造成を前提として再評価を実施中であり、次回審査会合で説明予定