プレスリリース

東通原子力発電所1号機における安全対策工事完了時期の見直しについて

2024年 4月22日

 当社は、東通原子力発電所1号機の安全対策工事の工程について、2024年度の工事完了が困難な状況にあると判断し、工事完了時期を見直すことといたしました。

 なお、安全対策工事の完了時期については、プラント審査の準備が整った段階でお知らせさせていただきます。


 東通原子力発電所1号機は、2014年6月10日に原子力規制委員会に対し新規制基準の適合性審査申請を行い、これまで、地震・津波審査に全力で対応してまいりました。

 そうした中、本年2月と3月に開催された原子力規制委員会の審査会合において、基準津波および基準地震動の策定について「概ね妥当」との評価をいただき、現在は、地震・津波審査の残りの審査項目である「年超過確率の参照」などの説明に向けた準備を進めているところです。


 一方、その後に行われるプラント審査に向けては、基準津波および基準地震動の評価結果や審査で得られた知見を、安全対策等の設備設計に確実に反映していくことが必要となります。

 その中でも、「1000万年に1回程度発生する可能性のある津波(PRA津波)」に関して対策を検討するとともに、それに伴う審査や工事への影響などについて、詳細な評価が必要となります。


 こうした状況を踏まえ、現時点では、プラント審査ならびに審査結果を反映した安全対策工事に関する明確なスケジュールを想定することが困難であることから、安全対策工事の完了時期については、プラント審査の準備が整い、今後の工程の見通しが得られた段階で、改めてお示しすることとしたものです。


 当社といたしましては、今後とも、新規制基準適合性審査ならびに安全対策工事に全力で対応してまいります。

 また、新規制基準への適合にとどまらず、原子力発電所のさらなる安全レベルの向上に向けた取り組みを着実に進めていくとともに、地域の皆さまからのご理解をいただきながら、準備が整った段階での再稼働を目指してまいります。


以 上



【参考:用語解説】

■プラント審査

・地震、津波、火災等への設備対策や、重大事故等に対処するための安全対策等の設備に関する審査。


■基準津波

・地震、地すべり、火山現象などにより、発電所に襲来する津波の想定高さのことで、津波を発生させる要因等を検討し、様々な数値シミュレーション等を踏まえて策定するもの。


■基準地震動

原子力発電所の耐震設計において基準とする地震動であり、敷地周辺において発生する可能性がある最大の地震の揺れの強さを示すもの。


■基準地震動および基準津波の年超過確率の参照

・基準津波(T.P.+12.1m)や基準地震動(700ガル)について、1年あたりの発生確率(年超過確率)を確認するもの。プラント審査では、「年超過確率」をもとに確率論的リスク評価(PRA)を行う。


■確率論的リスク評価(PRA)

・原子力施設等で発生するあらゆる事故を対象として、その発生頻度と発生時の影響を踏まえ、当該事故に係る「リスク」がどれほど小さいかを定量的に評価し、安全性の度合いを表現する方法。


■1000万年に1回程度発生する可能性のある津波(PRA津波)に対する対策の検討

・1000万年に1回程度発生する可能性のある津波(PRA津波)が原子力施設に与える影響を定量的に評価し、それへの対策を検討するもの。

・東通原子力発電所1号機において、基準津波の最大水位(T.P.+12.1m)は発電所の敷地高(T.P.+13.0m)を下回るものの、PRA津波は発電所の敷地高を越える評価となる可能性があるため、その対策の検討が必要となる。




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