t 地域課題解決に挑む団体をサポートする「まちづくり元気塾」の伴走支援で得られたものとは子育てプラットフォームMaRU 大橋代表インタビュー|東北電力

地域課題解決に挑む団体をサポートする「まちづくり元気塾」の伴走支援で得られたものとは
子育てプラットフォームMaRU 大橋代表インタビュー

地域課題解決に挑む団体をサポートする「まちづくり元気塾」の伴走支援で得られたものとは子育てプラットフォームMaRU 大橋代表インタビュー イメージ

 東北電力の地域づくり支援制度「まちづくり元気塾」。どのような制度で、どのような団体とともに課題解決に取り組んでいるのかご紹介します。

「まちづくり元気塾」とは

 東北電力の地域づくり支援制度「まちづくり元気塾」は、東北6県および新潟県で、地域が直面する課題解決に取り組む団体に対してニーズに合った専門家を派遣し、地域活性化にかかわるノウハウの提供や人材育成など、実践的な活動によるサポートを行う制度です。2006年度から継続して取り組んでいる制度で、昨年度までに42団体を支援してきました。
 今年度の支援団体「一般社団法人子育てプラットフォームMaRU」が考える地域課題は、転勤を伴う世帯の割合が高い仙台エリアにおいて、多くの子育て世帯が「孤独な育児」に直面していること。この課題を解決することは、人口減少や少子高齢化が進む東北の活力を取り戻すことにつながり、地域の持続的な発展に貢献したいという当社の思いとも合致することから、MaRUさんと一緒に活動しています。
 具体的には、MaRUさんの今後の事業活動を、より子育て世帯が求めているものに近づけるよう、パパ・ママの“生の声”を調査しデータ化。その結果をもとに課題解決へのアプローチ方法の提供、他地域の子育て分野で活躍する方の紹介など、「伴走型」の支援をしています。元気塾のサポートを受けてみてどうだったか、MaRUさんの取り組みや活動に込めた思いとともに、大橋代表のインタビューを通してご紹介します。

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「子育てを孤独にさせない、誰かとつながれる場所ときっかけを」 その思いがすべての始まり

ー「子育てプラットフォームMaRU」の活動内容についてお聞かせください。

 多くの子育て世帯が、地域や企業、支援してくれる個人とつながりを持てるようになるための仕組みづくりを行っています。家庭や職場、幼稚園・保育園でもない第3の居場所「親と子のサードプレイスぽぽらす」の運営をはじめ、産前から地域とつながり、情報を届けるための「マタニティボックス事業」、子育て情報誌の発行やベビーインストラクター養成講座などが具体的な事業です。

ーどうして子育て支援に取り組もうと思われたのですか。

 転勤を伴う世帯が多い仙台では、誰ともつながることができず孤独な子育てをしている方が少なくありません。私自身も一時期、見知らぬ土地での育児経験があり、とても心細く感じることがありました。そんな中仙台に引っ越してきたのですが、縁があってたくさんの出会いがあり、充実した子育てへと変わっていきました。
 その後、私はベビーインストラクターとして働き始めましたが、かつての自分と同じような気持ちで育児をしているママたちの声を受け取ることが多くありました。「やっぱり誰かとつながる場所やきっかけが必要なんだ」。そう思って、同じビジョンを持った女性メンバー3人で活動をスタートさせました。
 地域には、子育てのノウハウを持った素晴らしい方がたくさんいますし、応援してくれる企業・団体もたくさんあります。私たちが大切にしているのは、こうした皆さんと子育て世帯をつなぐプラットフォームになること。MaRUの活動を通して生まれる出会いやつながりから、子育て支援が広がってほしいと願っています。

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「東北・新潟の活性化応援プログラム」の縁からつながったサポート

ー「まちづくり元気塾」の支援を受けたきっかけは。

 私たちは子育て中のママ・パパと話す機会は多いのですが、調査やデータ収集はしたことがなく、子育ての実情を定量的に把握できていないという課題がありました。例えば、ママ同士のコミュニティをつくりたいと思っても、どれだけの人が本当に必要と感じているのかはデータがなければ不明確なまま。また、それらを集計したとしても、どうやって事業に生かせば良いのかノウハウがありません。
 東北電力とのつながりは、2022年の「東北・新潟の活性化応援プログラム」に「マタニティボックス事業」を応募し、特別助成団体に選定いただいたことがきっかけでした。当時のやり取りの中で、「まちづくり元気塾」では専門家の派遣といった形で、私たちが必要としている知識やノウハウをサポートしていただけることを知り、ぜひお願いしたいと思いました。

※東北・新潟の活性化応援プログラム
 東北6県と新潟県内で、地域産業の振興や地域コミュニティの再生・活性化、交流人口の拡大など、地域課題解決のために自主的な事業や活動を行う団体を助成金により応援する制度。

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一般社団法人子育てプラットフォームMaRU 代表 大橋香朱美さん

ー「まちづくり元気塾」の具体的なサポートは、どのような内容でしょうか。

 まずはまちづくりパートナーの方にMaRUの取り組みや現状の課題を理解いただいたうえで、一年間の方向性を決定。毎月1回コーチングや調査・データ収集に向けたアドバイス、その結果に基づく地域課題解決へのアプローチの仕方などを教わっています。また、他県の事例や、子育て分野で地域づくりをしているさまざまな方もご紹介いただき、世界が広がりました。毎回、新しい発見の連続で勉強になることばかりです。

実際の調査結果をもとに、今後取り組むべき課題解決の糸口が見えてきた!

ー支援を受けたことで、どんな成果が得られましたか。

 それまで感覚的に捉えていた子育ての課題が、調査・集計でデータ化したことにより「やっぱりそうだったんだ」と明確になりましたし、解決に向けたアプローチが見えてきたものもあります。昨年から、「東北・新潟の活性化応援プログラム」でも支援していただいた「マタニティボックス事業」を展開していますが、妊婦さんからのアンケート結果を踏まえて、こちらをもっと普及させていきたいと思っています。
 また、これからママ・パパになろうとしている方の多くが、行政や産婦人科で行われる出産前の両親学級に参加できていないことが分かりました。そこで、働いている方も参加しやすく、柔軟なサポートができる、企業と協働型の両親学級の事業構築を進めています。その枠組みも「まちづくり元気塾」を通して見えてきた成果のひとつです。

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MaRUのマタニティボックス「Tipu」
子育てが楽しくなることを願って、先輩ママたちの声から生まれた

ー「子育てプラットフォームMaRU」のこれからの目標についてお聞かせください。

 仙台で子育てをするなら「まずはMaRUだね」という存在になることがいちばんの目標です。「妊娠したらマタニティボックスをもらおう」「困ったときには、ぽぽらすに行こう」と思っていただければ。そこでつながった方々が、今度はこれからママ・パパになる方にアドバイスを送る立場になったりと、MaRUの活動から生まれる小さなアクションが積み重なり、「仙台って子育てしやすいまちだよね」というイメージにつながれば嬉しいです。

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「まぁるくつながる」子育てイベント開催!!

 「子育てプラットフォームMaRU」は2024年2月24日(土)、東北電力グリーンプラザ アクアホールを会場に「まぁるくつながる子育てフェスティバル」を開催予定です。東北電力も協力しているこのイベントは、子育てに役立つトークイベントやワークショップのほか、親子で楽しめるたくさんのブースも出店予定。大橋さんは「新しい発見や、楽しい子育てのきっかけになれば」と、多くの親子の参加に期待を寄せています。

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まぁるくつながる子育てフェスティバル Supported by 東北電力
2024年2月24日(土) 10:00〜15:00
※入場無料,一部ブースは要予約