企業グループ紹介「One Team!!」
■トインクス■地域企業やスタートアップとの協業・共創で社会課題の解決を目指す

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 東北電力グループをITの面から支える企業「トインクス」。同社では社会課題とITの可能性を掛け合わせ、革新的なサ ービスを創り出し、社会をより良くすることを目指し、新事業に挑戦しています。

ソーシャルイノベーション事業を推進〜社会を変えるアイデアをITで形に〜

 トインクスでは、東北電力グループの情報システム開発・運用サービスを60余年にわたり培ってきた技術力と豊富な経験を生かし、情報システムの企画・コンサルティングからシステム開発・保守・運用業務に至るまで、総合的な情報システムサービス「トータルソリューション」を提供しています。
 同社では2021年3月に、「Vision2030」を策定し、事業の柱の一つとして新たに「ソーシャルイノベーション事業」を据え、将来の新たな収益基盤を生み出すため、積極投資を行う考えです。

 2022年7月には、ソーシャルイノベーション事業を推進する組織として、コーポレート本部イノベーション推進部内に「ソーシャルイノベーション推進ユニット」を発足。同ユニットの主査 南城智貴さんと作村英虹さんに、事業の概要や取り組み状況、現在、参画する二つのスタートアップイベントなどについて伺います。

 ソーシャルイノベーション事業について、南城主査は「社会が抱える課題とITの可能性を掛け合わせ、革新的なサービスを創り出し、社会課題の解決につなげる事業」と説明します。例として、「課題先進地である東北地域にフォーカスし、これまで当社では取り組んだことがない、高齢化対策や過疎化対策、一次産業活性化などを切り口としたサービス」が挙げられます
 ユニットの発足前から、地域の農家と連携しIoT技術を活用したスマート農業に係る実証などに携わってきたものの、「地域課題の深い部分にささりきれていない部分があった」と振り返ります。現在は「サービスの創出を目指し、まずは、組織・会社を超えて、地域企業やスタートアップと接する機会を増やしている段階」とした上で、「その中で、地域社会の潜在的な課題を発見していきたい。当社が主体的に企業同士をつなぎ、協業・共創環境を作っていくことが重要」との認識を示します。

青森地域の課題解決や活性化に貢献しようとスタートアップイベントに参画

 この手段の一つとして参画するのが「青森アクセラレータープログラム」です。アクセラレータープログラムとは、成長意欲の高い事業者や起業家に対し、集中的な支援によって成長を加速させる手法です。作村さんは本イベントについて「起業や第二創業などの『しごと創り』に取り組む青森市が主催し、地域を牽引する企業をつくりだすことをねらいとしている」と話します。
 同社青森営業所では青森地域の課題解決や活性化に貢献しようと、今年度から協力パートナーとして参画。支援対象となる採択企業の選考に係る審査にも携わったそうです。
 今年10月には、マッチングや商談の機会として、地元企業や協賛パートナーから採択企業に対して、事業概要や課題、協業のアイデアなどを説明するリバースピッチと呼ばれるイベントが行われ、同社でもプレゼンを実施。現在は採択企業への支援が行われていますが、今後、同社では採択企業との意見交換や相性の良い企業とのマッチングを検討することとしています。

青森地域の課題解決や活性化に貢献しようとスタートアップイベントに参画 イメージ1

「青森アクセラレータープログラム」でプレゼンを行う
ソーシャルイノベーション推進ユニット 安保ユニット長

東北地域の企業と日本全国の企業をつなぐイベントを初開催!

 ソーシャルイノベーション推進ユニットが注力する新たな試みである、「INNOVATION NEXUS TOHOKU 2023」(以下、イノベーションネクサス)もその一つです。
 東北地域の企業と日本全国のスタートアップ企業をつなげるビジネスマッチングプログラムとして、東北地域の独自の資源、技術、文化を生かしたイノベーションの創出を目指し、今年度初めて開催。トインクスではパートナー企業として本イベントに協賛するとともに、仙台市に本社を置くIT企業として企画・運営にも携わっています。東北電力グループではトークネットがパートナー企業として協力しているほか、東北電力が後援をするなど、グループ企業でも取り組みをバックアップしています。
 作村さんは「東北の人口減少・流出が課題となる中、若者がやりがいをもって働ける魅力的な地域とするためにも、このイベントをスタートアップとのマッチングや地域産業の活性化につなげる機会にしてほしい」と思いを語ります。南城さんは「とにかく企業認知度を上げていくことが必要と考え、広報戦略も意識し今回のイベントを立ち上げた。オープンイノベーションと聞くと分かりにくいが、企業同士がつながるメリットを理解してもらい、協業・共創について前向きに捉えてもらえるよう、企業への訪問などの地道な活動も重ねた」と振り返ります。
 この結果、東北に拠点を構える民間企業が主催する新しい形の取り組みとして、全国紙でも紹介されるなど、注目を集めています。

東北地域の企業と日本全国の企業をつなぐイベントを初開催! イメージ1

イノベーション推進部関係者での打ち合わせの様子

 10月にプレイベントを開催し、12月20日には仙台市内でリバースピッチが行われるほか、2024年7月までに複数回の商談・交流会も予定されています。「イベントの認知度を上げて、より多くの企業に参加いただくことで、マッチング機会も多様になり、メリットも得られる」と南城さんは強調します。参加企業からは「改めて地域貢献という観点で一緒に活動していきたい」との声や、各社の新規事業担当者からも前向きな評価をいただいているとのことです。
 同社ではこれらの取り組みを進め、地域発のイノベーションや企業との協業・共創の糸口を探っていく考えです。

イノベーションの創出に向けて、主体期に協業・共創環境の構築を

 これまで、多くの企業と接してきた南城主査と作村さん。
 「スタートアップの皆さまと接すると、私たち地元企業と同じように地域課題を解決したいという強い思いを持っていると感じる。思いを一つにし、協力して東北地域を盛り上げていきたい」と作村さん。
 南城さんも「『東北地域や地元が好きだ』という企業が多く、地域の魅力や特性を生かしてビジネスにつなげたり、地元企業同士が連携し地域のインフラを救い、地域を活性化させたなどのエピソードを伺い、感銘を受けた。一方で、東北地域は、地域企業同士が共創・協業する取り組みはそこまで活性化しておらず、これまでは自治体が主導することが多かったため、今後は私たちのような民間企業が主体的に取り組むことが重要なアプローチになる。当社として、ソーシャルイノベーションの創出が大きなミッションとなっており、今は企業同士をつなぐことに注力し、将来的に新たな事業が生まれるきっかけになれば」と期待を込めます。

 2022年に東北インフォメーション・システムズから改称したトインクス(TOiNX)。TOは東北(TOHOKU)、iNは情報(INFORMATION)の頭文字から、]は「無限の可能性」を意味し、事業発展の想いが込められています。
 「ITで実現する新たな価値を社会に拡げ続ける」との経営理念のもと、東北におけるIT企業のパイオニアとして培ったノウハウや強みを生かし、ITの可能性を探求しながら、新事業への挑戦を続けていきます。

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