■東北自然エネルギー■松川地熱発電所周辺の特定外来生物防除活動を実施

■東北自然エネルギー■松川地熱発電所周辺の特定外来生物防除活動を実施 イメージ

 東北電力グループのサステナビリティ重要課題の一つである「生物多様性の保全」。東北自然エネルギー 雫石事業所では、松川地熱発電所周辺に繁殖する外来植物「オオハンゴンソウ」の防除活動を行っています。

発電所周辺の在来植物に悪影響を及ぼすオオハンゴンソウ

 東北自然エネルギー 雫石事業所は、環境省の認定事業者として、松川地熱発電所および東北電力 葛根田地熱発電所周辺で、特定外来生物に指定されている「オオハンゴンソウ」の防除を行っています。
 北アメリカ原産のオオハンゴウソウは、キク科の植物で7〜9月にはヒマワリの花を小さくしたような黄色の花を咲かせます。日本には明治時代に観賞用として持ち込まれました。寒冷な土地や湿性環境を好み、繁殖力が強いため、条件が良いと急激に拡がり、在来植物の生育を妨げるなど、地域の生物多様性が失われてしまいます。このため、外来生物法で「特定外来生物(第二次指定種)」に指定されており、許可のない栽培や生きたままの植物の運搬などが禁止されています。
 東北自然エネルギーでは、「生物多様性の保全」の観点から、オオハンゴンソウが種子をつける前の毎年7月頃に、松川地熱発電所および東北電力 葛根田地熱発電所周辺で防除活動を実施しており、認定事業者として作業後には作業写真や防除本数を環境省へ報告しています。

発電所周辺の在来植物に悪影響を及ぼすオオハンゴンソウ イメージ1

防除活動の様子

発電所周辺の在来植物に悪影響を及ぼすオオハンゴンソウ イメージ2

松川地熱発電所の近辺に繁殖したオオハンゴンソウ(黄色円内)

東北自然エネルギー 雫石事業所の林田さんに聞きました。

Q.防除作業はどのように行うのか教えてください。
A.オオハンゴンソウは、地中に根が残っているとそこから繁殖するため、根掘の道具を使って根茎ごと掘り出していきます。

Q.どのようなところが大変ですか?
A.雑草との見分けがつきにくいことです。葉がギザギザしているところが特徴で、特にヨモギによく似ていますが、ヨモギは葉の裏が白いので、その点で見分けています。
 また、オオハンゴンソウは繁殖能力が高い植物なので、毎年継続して防除活動を行っていく必要があります。

Q.どのような点に注意していますか?
A.オオハンゴンソウは、種と根で増えていきます。花が咲くと1本あたり1000粒以上の種をつけるため、防除作業は種子をつける前の7月頃に実施しています。

Q.防除したオオハンゴウソウはどうするのですか。
A.雫石事業所は、環境省から防除の認定を受けていますので、発電所の敷地外へ飛散しないよう袋詰めしたのち、一般廃棄物として雫石町のごみ処理施設に持ち込み、焼却処分しています。

東北自然エネルギー 雫石事業所の林田さんに聞きました。 イメージ1

東北自然エネルギー 雫石事業所・林田さん

東北自然エネルギー 雫石事業所の林田さんに聞きました。 イメージ2

防除活動前に作業者へ注意事項を説明する林田さん(左から1番目)

東北自然エネルギー 雫石事業所の林田さんに聞きました。 イメージ3

オオハンゴンソウとヨモギ(左側がヨモギ)

東北自然エネルギー 雫石事業所の加藤所長に聞きました。

Q.発電所周辺の防除活動はいつから始めたのですか?
A.初めは環境省(盛岡管理官事務所)からの要請に応じて、環境省が地元のボランティアと共同で実施していた滝ノ上温泉周辺の防除活動に参加していました。その後、松川地熱発電所周辺にもオオハンゴンソウが繁殖していることが確認されたため、2018年に雫石事業所の取り組みとして、葛根田蒸気基地・松川地熱発電所構内の防除活動を自然保護官の指導を受けながら実施したのが始まりです。

Q.オオハンゴンソウの数は変化していますか?
A.防除活動を開始した当初は、1日では防除対象エリア内のオオハンゴンソウを取り切れないほど、多くのオオハンゴンソウが繁茂していました。毎年防除活動を継続してきたことで確実にオオハンゴンソウの本数は減少しており、特に大型の株が減っている感覚があります。

Q.オオハンゴンソウの防除活動で意識していることがあれば教えてください。
A.とにかく松川地熱発電所の敷地内からオオハンゴンソウを広めないことです。そのためにも敷地内からオオハンゴンソウがなくなるまで防除活動を継続したいと考えています。

東北自然エネルギー 雫石事業所の加藤所長に聞きました。 イメージ1

東北自然エネルギー 雫石事業所・加藤所長

東北自然エネルギー 雫石事業所の加藤所長に聞きました。 イメージ2

防除活動をしている加藤所長(左から1番目)