おらほのNo.1〜秋田〜「美人の国、美酒の国、美豚の国 秋田発“ソーセージ革命”」

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 東北・新潟の知られざる魅力をお伝えする「おらほのNo.1」。 「食べるの大好き!タベルスキ・マイケル」 「うマイケル」など、ダジャレが書かれたパッケージがSNSで大バズり!!秋田の食材を使い、ポーランド伝統の製法によるソーセージ作りを手掛けるタベルスキ・マイケルさんをご紹介します。

「美人の国、美酒の国、美豚の国 秋田発”ソーセージ革命”」

 「ポルポルポル、ポルポルポル、ポルミート♪」「うーマイケル♪」(クリックで動画へリンク)
 秋田県民なら一度は目にしたことのある、ポーランド民謡『森へ行きましょう』に乗せて軽快なリズムで踊るCMでお馴染みの食肉加工ブランド「ポルミート」。今回は、秋田県大仙市でソーセージやハムなどを製造している株式会社IMIの代表、ポーランド共和国出身のタベルスキ・マイケルさんに秋田支店の担当者とマカプゥがお話を伺いました。

知らない土地で生活する大変さ

 バルト海に面したポーランド西部にあるポズナン出身のマイケルさんが日本にやってきたのは、22歳の時。仕事でポーランドに滞在していた日本人と出会ったことで、その方の出身地である秋田県大仙市に移住することになりました。地元であるポズナンはポーランド最古の都市のひとつで中世ポーランド王国の最初の首都。仙台と同じくらいの大きさの町のため、秋田県に来て初めて大曲駅を見たときは「すぐ帰る」と思ったそうです。
 それでもマイケルさんが、言葉も通じず知り合いもいない中でもやってこられたのは、言葉と日本という国への愛情があったからです。「ポーランドにいた時から漢字が好きで、幼心に漢字を美しいと思っていました。今思えば、当時ボロボロになるまで着ていたお気に入りのTシャツには、漢字で”横浜・東京”と書いてありました」

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ポーランド最古の都市、ポズナン

なぜソーセージをつくることになったのか

 マイケルさんは2003年に大仙市に移住してから、様々なアルバイトを経験し、タニタの秋田工場(大仙市)の契約社員として仕事をしていた時期もありました。その後、東京や仙台のあらゆる業種の会社へ履歴書を送りますが、不採用が続きました。この出来事が、ポルミートの原点。「自分のことを誰も必要としていないのであれば、自分の会社をつくるしかない」と思い、2010年にポーランドの加工肉を輸入する株式会社IMIを設立しました。
 はじめは輸入会社として順調に売り上げを伸ばしていきましたが、2014年にポーランドで豚コレラが発生。なんとソーセージを輸入できなくなってしまいました。
 「そんな状況を打開するために、取引先である隣町の横手市にある食肉工場に相談したところ、工場長から『輸入できないなら自分で作ればいいんじゃない?』との言葉が返ってきました」

 ポーランド出身とはいえソーセージ作りは未経験。
 「はじめは食肉工場の社長の元でアルバイトをしながら、自宅の車庫でソーセージを作り始めました。本とネットを頼りにほとんど独学で、1日1本ソーセージを作り続け、半年間の試行錯誤を経て美味しいと思えるソーセージが出来上がりました」
 その後、食肉工場の一角を借りて本格的に製造を開始。本場の味を追求するために、ポーランドからソーセージ職人を招いて指導を仰いだこともありました。ソーセージを作る機械もポーランドから良いものを取り寄せましたが、充填機を使いお肉を羊腸に詰めていくと、頻繁に割れてしまうという問題が発生。本来であれば1時間で150〜200kgのソーセージが作れるはずが、1日で3kgしか作れないなどのアクシデントに見舞われながらも、今では自社工場も建設し、ひと月に6t以上のソーセージやハムを製造しています。

 ポルミートのソーセージの魅力はなんといっても、ヨーロッパの美味しさを伝えながら秋田の人たちの口にも合う”ハイブリットな味わい”。
 「ヨーロッパでは手ごろな値段でとても美味しいソーセージが手に入りますが、日本は低価格な大手製品か、高級な小さな工場の製品に二分されているため、ポルミートはその中間を目指しています。特に意識しているのは、毎日でも食べたくなる味と値段のソーセージを作ること」
 市販のソーセージには、水飴などの甘みを加えたものが多く見られますが、本場のスパイスを使用して、肉本来の甘みを引き出しているのが特徴です。その後、腸詰めし、燻製、加熱処理やパック詰めという工程へ進みます。良い原料で良い商品を作り、できるだけ安価に提供することで、他社には真似できないオンリーワンの食肉加工会社を目指します。

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目指す方向と大切にしているもの

 マイケルさんには目標が2つあります。1つは、“工場をフル稼働させられるくらい、ポルミートを扱う店が増えること”。現在、県内のほとんどのスーパーがポルミートの商品を取り扱っていますが、県外でも商品を取り扱ってくれるお店を増やすことです。来年の5月には、現工場の敷地内にレトルト商品専門の新工場を増設。今後は安い値段で”すぐに食べられるもの”に商品展開をシフトしていく予定です。
 もう1つは、”大仙市に「ウマイケルヴィレッジ」をつくること”。グランピングができる施設で、自然豊かな景色を満喫するだけでなく、ソーセージの製造体験ができることがポイント。秋田県内の農産物や名産品を置いた直売所も設置して、秋田県の魅力を伝えていくとのことです。

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ウマイケルヴィレッジの構想が生まれた豊かな仙北平野と美しい夕日

 最後に、マイケルさんが大切にしている”恩を返していくこと” についてお話しいただきました。 「60歳以降は教育をしたいです。どんなことをするかは、まだ決まっていませんが、いろんな形があると思っています。基本的に人生のミッションとして、もらったものを返すのが大事だなと思います。コレクターではないのでお金は死ぬときになくなりますし、持っていても意味がないですよね。私はお世話になった人がたくさんいますから、学んだ分+αを返していきたいんです」

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 マイケルさんの夢や展望をお聞きして、これからの活躍がますます楽しみになりました。
 ソーセージを製造するだけでなく、その中で安全な食べ物や健康について考え、自分の経験から学んだことを他者に還元していきたいというマイケルさんに感銘を受けたマカプゥでした。

株式会社IMIの最新情報はこちら↓
ポルミートオフィシャルWEBサイト<https://www.polmeat.jp/