災害時の相互連携に向けて〜第二管区海上保安本部、海上自衛隊舞鶴地方隊、東北電力・東北電力ネットワークの4機関による共同訓練を実施〜

災害時の相互連携に向けて〜第二管区海上保安本部、海上自衛隊舞鶴地方隊、東北電力・東北電力ネットワークの4機関による共同訓練を実施〜 イメージ

 東北電力・東北電力ネットワークでは、海上自衛隊舞鶴地方総監部および第二管区海上保安本部(当社エリアを管轄)と災害時の相互協力に関する協定を締結しています。9月8日、秋田県の船川港と秋田港において、4機関による共同訓練を初めて実施しました。

協定内容の実効性を高めるために

 今回の訓練では、災害時に必要となる電源車や資機材、人員の輸送手段の調整のほか、拠点への電源供給を想定した対応手順について確認しました。
 秋田電力センターからは6名が実働部隊として訓練に参加。電源車や資機材とともに輸送船で移動するなど、本番さながらの訓練となりました。

協定内容の実効性を高めるために イメージ1

訓練参加機関代表者からの挨拶

【海上自衛隊舞鶴地方総監部幕僚長 櫻井 真啓 氏】
 秋田県では、海上自衛隊舞鶴地方隊のみならず、大湊地方隊、あるいは関係の自衛艦隊などもさまざまな被害想定で訓練を実施していますが、東北電力および東北電力ネットワーク、第二管区海上保安本部の皆さんとの連携による訓練は初めてです。
 本日の訓練が実りある訓練になることを祈念します。

訓練参加機関代表者からの挨拶 イメージ1

【第二管区海上保安本部次長 山戸 義勝 氏】
 最近は地震・津波はもちろん、大雨による被害がどこで発生してもおかしくない状況であり、今年の夏も、秋田県・青森県・山形県で大変な大雨になりました。
 関係機関による訓練を通して、お互いの長所や短所を確認することは、実際の災害に備えて大切なことだと感じています。
 本日の訓練は、秋田県の方々も見守る中、しっかりとやっていきたいと思います。

訓練参加機関代表者からの挨拶 イメージ

【東北電力株式会社執行役員秋田支店長 小笠原 孝史 氏】
 激甚化傾向にある自然災害に対し、電気というライフラインを守る弊社としては、早期復旧に向けた連携強化を目標に日頃から訓練を行っています。
 大規模災害には、社会機能維持を担う各機関がそれぞれのフィールドにおいて、互いに協力し合い、地域の皆さまへ早期に安全・安心をお届けすることが理想です。
 今回の訓練では、協定を実効あるものにするため、地震災害の対応を想定したそれぞれの連携方法などを確認し、有意義なものにしていきたいと考えています。
 安全第一で訓練に臨んでいただくようお願いします。

訓練想定と実施内容

<訓練想定>
 秋田県沿岸南部を震源地とする地震により道路が寸断、陸路による秋田市沿岸部の一部への往来が不可。また、同地震により電気の供給設備に被害が生じ、秋田港湾合同庁舎周辺で停電が発生。

<実施内容>
1.海上自衛隊所有の多用途支援艦「ひうち」への空輸対応型低圧応急用電源車「灯」の積載・航行
  (航行:距離 約21km、時間 約60分)

訓練想定と実施内容 イメージ1

2.海上保安庁巡視艇「すぎかぜ」への復旧に必要な資機材および作業員の搬送
  (船川港湾内を航行 約30分)

3.秋田港湾合同庁舎(海上保安庁事務所)への東北電力ネットワーク高圧応急用電源車接続

〜空輸対応型低圧応急用電源車「灯(ともす)」について〜
 災害により陸路での電源車運搬が困難な独立地区へ陸上自衛隊が所有する大型ヘリコプター(CH47)の内部に積載可能な空輸対応型低圧応急用電源車
として開発

 ガソリン車(600cc)の5MTで4WD。乗車定員は2名
 単相3線式100V/200Vに対応。10時間連続運転が可能。一般家庭(30A)約4〜5世帯分に相当
 今回は、海上輸送を想定し、海上自衛隊の多用途支援艦「ひうち」に積載し、航行訓練を実施

〜訓練に参加して〜統括責任者 秋田電力センター  配電工事課長 小笠原 聖 氏

 大規模災害に備え、協定を締結している関係機関が共同で訓練を実施できたことを大変有意義に感じています。訓練を通して、海上自衛隊や海上保安庁との有事の際の連携・協力に対し、理解を深めることができました。
 近年は大雨による災害が非常に多くなっているという印象です。8月上旬には東北北部の大雨により、青森県の日本海沿岸部を中心に災害が発生したばかりです。
 秋田県内においても、度重なる大雨により、大小の土砂崩れ等が多数発生し、県内のJR線では未だに復旧の見通しがたたない個所があります。
 訓練は、地震により陸路が寸断するという想定でしたが、海に囲まれた日本ですので、海上から現場に到達する手段を得たことは非常に心強いと感じています。
 今回は、車両や資機材の積載から航行、そして電源供給まで多岐にわたって確認することができました。
 今後とも、災害発生時における迅速な復旧活動に向け、さまざまな訓練を継続していきます。

〜訓練に参加して〜統括責任者 秋田電力センター  配電工事課長 小笠原 聖 氏 イメージ1