最高級ワイン造りへの果てしない情熱〜新潟県上越市・岩の原葡萄園〜

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 新潟県に、日本ワインの礎とも言えるワイナリーがあるのをご存じでしょうか?高品質のワインを造り続ける「岩の原葡萄園」を取材しました。

一世紀の時を超えて、日本のワインの歴史を語る「岩の原葡萄園」

 妙高連山のすそ野がなだらかに日本海に接する「越後・頸城(くびき)平野」。かつて上杉謙信の城下町、そして交通の要所としても栄えた新潟県上越市に「岩の原葡萄園」はあります。

一世紀の時を超えて、日本のワインの歴史を語る「岩の原葡萄園」 イメージ1

ワイナリーから頚城平野を望む。大地主であった川上家は、この一帯の広大な土地を所有していた

 岩の原葡萄園は、1890年に、創設者・川上善兵衛が「地元の人々の暮らしを豊かにしたい」との熱い想いのもと、親交のあった勝海舟の助言も受けながら、ワイン造りには不向きといわれる雪深い上越の地に葡萄園をつくったところから始まります。
 その後、善兵衛は、本格的なワイン造りを目指し、上越の気候風土に適したぶどうの品種改良を重ねた結果、「マスカット・ベーリーA」「ブラック・クイーン」などの多くの優良品種を世に送り出しました。これらの品種は、現在、全国各地で栽培され、日本ワインの主力品種となっています。
 こうしたことから、善兵衛は「日本のワインぶどうの父」と呼ばれています。
 創業以来130年以上にわたり、岩の原葡萄園は、善兵衛の地域への想い、そして、ぶどうとワインにかけた情熱を引き継ぎながら、高品質の日本ワインを造り続けています。

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ぶどう畑では、創業者・川上善兵衛が生み出した品種を主に栽培

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ぶどうの収穫時期は毎年10月ごろ。体験イベントも予定

「雪」を利用したワイン造り

 善兵衛は、発酵温度や夏場のワイン熟成庫の温度管理を適切に行うにあたり、越後名物の「雪」に着目。冷却設備の無い時代に、ワイン熟成庫である「第二号石蔵」に雪室を併設し、雪による冷却を実現しました。

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ワイン熟成庫の「第二号石蔵」と雪室を結んでいた通路。上越市の指定文化財

 現在、冷蔵設備による貯蔵が一般的である中、二酸化炭素の発生量を削減して環境負荷を軽減するため、雪室を使用したワイン造りを復活させようと、2005年に雪室を建造。「第二号石蔵」の温度管理に使用し、ワインの樽熟成に役立てています。

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「雪室」の内部。約330トンの雪の冷熱を利用財

 なお、サントリーグループの岩の原葡萄園は「2050年までにバリューチェーン全体で温室効果ガスを実質ゼロにする」方向性のもと、2022年度から、当社が提供する「よりそう、再エネ電気」により、100%再エネ由来のクリーンな電気でワインを生産しています。
 ※新潟県、青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県に所在の再生可能エネルギー電源(FIT電気および揚水発電所の電気は除く)を活用した再エネ電気(CO₂フリー)をお届けするもの

こだわりあふれる「岩の原スタイル」

 ここで、岩の原葡萄園の営業・マーケティング部 部長代理の今井さんに、岩の原ワインのこだわりを伺いました。
 「一つ目は、創業者の川上善兵衛が日本の気候風土に合うよう品種改良した日本のぶどう品種でワインを造ることです。創業者が生み出したぶどう品種を使用しているメーカーは、世界中でも非常に珍しいのです」。
 「もう一つは、誰が飲んでも美味しい“バランス”の取れた味の追求です。最初の一口目を飲んだ瞬間、誰もが美味しい!と感じていただけるよう、酸味や香り、渋み、色合いなどのバランスをいかに洗練させていくかという部分にこだわりを持っています」。

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ワインや地域への熱い想いを語る今井さん

 加えて、その「見た目」にも注目してほしいと語ります。
 「美味しいワインの重要な要素が見た目。見た瞬間、「美味しそう」「飲んでみたい」と思わせるような見た目は非常に重要です。特に注目してほしいのは、“照り”の美しさや綺麗さ。“見ても美味しい、飲んでも美味しい”、すべてのバランスが取れた“岩の原スタイル”のワイン造りを社員全員で共有しています」。

 さらに「岩の原ワインは、新潟県内を中心に、多くの方に長年親しまれています。それゆえ、岩の原ワインに対する期待は大きいものと考えています。この期待にしっかりと応えるため、“岩の原スタイル”のこだわりを磨き続けていきたいと思います」。

 最後に「岩の原葡萄園は、創業者の地域に対する熱い想いを引き継ぎながら、上越をはじめとする全国のお客さまに応援していただけるよう、良質なワイン造りに日々励んでいます。岩の原葡萄園が成長することで、上越や新潟のブランド価値がより高まる一助になればと考えています。引き続き、地域への想いを大切にしながら、魅力ある商品づくりを進めていきたいと思います」と強い決意を述べられました。

 なお、現地では、現存する日本最古のワイン蔵として創業当時の面影を残す「第一号石蔵」(国の登録有形文化財)や冬に積もった雪を貯蔵している「雪室」、上越の街を一望できる見晴らし台、そして地元食材を堪能できるレストランなど、岩の原葡萄園の歴史やワイン造りの魅力・こだわりを存分に体験することができます。

お薦めワインをご紹介!

 ここで、今井さんより、岩の原ワインをいくつかご紹介いただきました。

 まずは、岩の原葡萄園を代表する『深雪花』(赤)
 「完熟したマスカット・ベーリーAを厳選して醸造。果皮や種からの香味成分をしっかりと抽出後、樽の中でじっくりと熟成を重ね、濃縮感のある果実味が、ふくらみのあるまろやかさを醸し出す赤ワインの傑作です。ワインに詳しくない方でも、バランスが取れていて飲みやすく親しみやすさを感じる味です。飲んでいただければ、その美味しさを実感いただけると思います」
 この美味しさが認められ、『深雪花』(赤)は、数々の名だたる賞の受賞をはじめ、2019年のG20大阪サミットにおけるワーキングランチでは各国首脳に振舞われたほどです。
 余談ですが、ワインに関しては全くの素人の筆者でも、この『深雪花』(赤)のぶどうの豊潤な香りと味わい深さに感動するとともに、様々な料理との相性も良いので、新潟のお土産としてこれまで何度もリピートしています。

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岩の原葡萄園を代表する『深雪花』(左から白、赤、ロゼ)

 次は、『ヘリテイジ2019』(赤)
 「その年の最高のぶどうのみで醸造する最高級赤ワインです。岩の原葡萄園産のぶどうを厳選し、さらに厳しい選果を経て醸造しています。新樽で15ヶ月間ゆっくりと熟成を重ねることで、香り、味わいとも凝縮感のある赤ワインに仕上がっています。至近では『フェミナリーズ世界ワインコンクール2022』の赤ワイン部門において、『深雪花 赤』とともに、金賞を受賞しました。ぜひ世界が認めた『ヘリテイジ』をお試しください」
 再度余談ですが、今回の取材を機に、筆者も『ヘリテイジ』を早速飲んでみました。華やかなフレーバーと力強い果実味に、うまく言い表すのが難しいのですが「贅沢な味」を(素人でも)感じました。間違いない美味しさです。
 ※ワインの本場フランスでTOP5に入る世界知名度の高いコンクール。審査員が世界中の女性ワイン専門家(約600人)であることが特徴

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 最後に、取材の際に「マスカット・ベーリーA」を搾った無添加のストレートジュース『大浦葡萄ジュース』を試飲させていただきました。ぶどうの濃厚な甘さとコクが、驚愕の美味しさでした。ぜひ、ワインはもちろんのこと、こちらもチェックしてください!

ぜひ、上越・岩の原葡萄園へ!

 いかがでしたでしょうか?
 上越は今回のワイン以外にも、「高田公園の桜(日本三大夜桜)」「スキー場」「上杉謙信・春日山城跡」「妙高産コシヒカリ」「新鮮な魚介類」「とん汁」など魅力の宝庫です。

 また東北電力グループにとって、2022年12月に上越火力発電所1号機の営業運転開始が控えています。今後について、益々、目が離せない地域ですね。

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建設中の上越火力発電所1号機

 今回の企画を通じて、ぜひ「岩の原葡萄園、上越に行ってみようかな」「岩の原ワイン、飲んでみたいな」など、一人でも多くの皆さんに、岩の原葡萄園の魅力はもちろんのこと、上越が持つ魅力に気づいていただければ幸いです。

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<HPはこちら>
 ▼『岩の原葡萄園』 https://www.iwanohara.sgn.ne.jp/
 ▼『岩の原葡萄園オンラインストア』 https://www.iwanohara.shop/index.html