女川原子力発電所で活躍する女性土木技術者

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 女川原子力発電所では現在、再稼働に向けた様々な工事が最盛期を迎えています。そのまっただ中、男性中心の土木工事の現場で活躍している女性技術者を紹介します。

珍しくはないけど数少ない女性土木技術者

 女川原子力発電所の構内では現在、機械・電気・土木・建築など様々な分野の工事がピークを迎えており、当社社員と協力会社の社員が力を合わせ、再稼働に向けて高品質な安全対策設備の構築が進められています。
 数多くの工事の中でも規模が大きく構内に入ってまず目につくのが、広いエリアで行われている土木工事です。土木工事というと、いかつい男性が汗と泥にまみれて力仕事をしている様子を思い浮かべる方も多いと思います。たしかに土木関係者のほとんどは男性ですが、その仕事の範囲は幅広く、女性の活躍も決して珍しいものではありません。

この仕事ならではのやりがいを感じます

 今回は、女川原子力発電所の土木工事現場で働く佐藤実果子さんに、いろいろとお話を伺いました。

この仕事ならではのやりがいを感じます イメージ1

Q.どんなお仕事をされていますか?

A.

2020年10月に女川原子力発電所へ異動となり、半年ほど土木設備の保守業務を担当した後、安全対策工事の施工管理業務を担当するようになりました。現在の主な担当工事は、取水路や海水ポンプ室など既設構造物の耐震補強工事と、ディーゼル発電設備用軽油タンクピットなどの新設工事です。

Q.仕事で大変なことややりがいを教えてください。

A.

土木部門だけで完結する工事はなく、関連する機械・電気といった他部門と適宜連携しながら業務を進めていますが、各工事が本格化して現場が錯綜するなか調整事項も非常に多くなっており、現場経験が豊富でない私は、工事を停滞させないよう日々動き回るのに精一杯です。そんな中でも、関係者と調整して工事の手順や施工方法を決め、少しずつ現実の設備が出来上がっていくのを目にすると、この仕事ならではのやりがいを感じます。難しい局面が多いですが、目指すところ「再稼働」はみんな同じですので、これからも互いに協力しながら仕事を進めていきたいです。

Q.男性が多い職場で苦労していることはありますか?

A.

ここ数年で当社土木部門の女性も増えつつありますが、まだまだ少ない状況です。それでも入社してから今まで、女性だから不遇な目にあったとか不利だと感じたことはほとんどありません。これまであまり実感がありませんでしたが、周りの方々の配慮があったからだと今では感じています。ちなみに、女性だからというより私個人の問題なのですが、腕力がないため高さ20m以上のタラップ(梯子)を昇るのはとてもつらく、筋力アップが目標です。今後、後輩となる女性技術者が増えていくことを期待していますので、ロールモデルとして後輩たちに選択肢を増やしてあげられればいいなと思っています。

ほかにもいる。女川で活躍する女性技術者たち

 女川原子力発電所土木工事の現場では、当社以外でも女性技術者が活躍しており、佐藤さんが担当する耐震補強工事を請け負っている建設会社にも5人の女性が在籍しています。彼女たちは、雨や雪、暴風といった悪天候の中でも工事現場に立ち、男性とともに日々現場管理を行っています。また、女性ならではの目線で現場環境の改善にも貢献しています。

 女川原子力発電所では性別も年齢も関係なく、みんなが再稼働という一つの目標に向かって進んでいます。これからも工事に携わる一人一人が安全最優先で業務を進め、目標を達成して関係者全員で喜び合う日が待ち遠しいです。