東北電力グループとして地域課題の解決に貢献する。今回はその事例を紹介します。
須賀川市は、福島県のほぼ中央に位置する人口約7万5千人の緑豊かな街。江戸時代、奥州街道屈指の宿場町として栄え、松尾芭蕉も「奥の細道」の旅で訪れています。また、ウルトラマンを生み出した円谷英二監督の出身地であり、街なかには、円谷作品のモニュメントも立ち並んでいます。
その須賀川市ですが、少子高齢化や既存建築物の老朽化などに伴い、中心部に空き家・空き店舗が増加している状況にあります。
今回紹介する「テダソチマ」は、そうした地域の課題を解決すべく、市内に点在する空き家・空き店舗の利活用やイベントの企画・運営などの街づくり推進事業を行っている会社です。
福島県内第一号の都市再生推進法人に指定され、産・学・官連携で進めるエリアプラットフォームを立ち上げ(東北電力・東北電力ネットワークも参加)、須賀川市未来ビジョン「みちしるべ」を策定しています。
ビジョン「みちしるべ」では、「安全安心で災害に強いまち」や「ゼロカーボンを実現し環境に優しい持続可能なまち」などの10のアクションプランが掲げられています。
街づくりを担うテダソチマの大木和彦社長は、「その実現に向けてどのように取り組んでいくか、検討を進めていた」と振り返ります。
「災害に強いまち」「環境に優しい持続可能なまち」の実現に向け、日頃より感度高く、太陽光発電など再生可能エネルギーの導入やレジリエンスに係る情報を収集していたテダソチマ大木社長から、東北電力ソーラーeチャージの「あおぞらチャージサービス※」を紹介してほしいとの相談が、地域活性化や防災などの面で意見交換を実施していた東北電力グループの地元事業所にありました。
エリアプラットフォームに参加していた本店の担当部門、東北電力ソーラーeチャージを含め検討を進め、導入に至りました。
【導入された「あおぞらチャージサービス」の概要】
場所 | 須賀川市中心部にあるスペースで災害時の避難場所となりうる「等躬(とうきゅう)の庭」に隣接するビル |
設備 | 太陽光発電設備(出力5.83kW)・蓄電池(容量5.6kWh) |
※初期費用ゼロで太陽光発電設備と蓄電池を設置する「あおぞらチャージサービス」。東北電力ソーラーeチャージのHPはこちら
「日中は、太陽光発電によるCO₂ゼロの電気を使用し、余剰分は蓄電池に充電します。災害時もしばらくの間、電気が使用できるようになり、地域の防災力は向上。等躬の庭には、手動でくみ上げる井戸も設置しているので周囲の方もここにくれば何とかなるという場所を創ることができました」と、大木社長は評価します。
取材日も順調に発電
大木社長は、東北電力グループへの期待をこう述べます。「まちづくりとは一過性のものではなく、10年20年と続くものです。東北電力グループは、長くつき合えるパートナーと考えています。今後も一緒に防災や地域活性化などについて、協力いただきたいと思っています」